不登校で勉強しない子どもに必要なサポート、勉強再開のタイミングを徹底解説!

こんにちは、学校が苦手な方を完全個別指導塾や家庭教師でサポートするキズキの土井です。
このコラムをお読みのあなたは、お子さんの不登校について、以下のようにお悩みではないでしょうか。
- 子どもが不登校になって勉強しないが大丈夫だろうか?
- 学校は行かなくてもよいから勉強だけはしてほしいけど、どうアプローチすれば良いかわからない…
- 通塾や家庭教師を子どもに提案したが断られた
しかし、「子どもに勉強をさせなくては」と焦る必要はありません。
お子さんが不登校で、勉強から離れている期間があったとしても、その間の勉強の遅れを取り戻すことは可能です。
今回は、過去に不登校を経験した当事者であり、現在はサポートを行う私の視点から、不登校で勉強しない子どもに必要なサポート、勉強再開にあたっての見極めたいタイミングについて、自身の体験談も踏まえてお話しします。
私たち、キズキは、個別指導塾キズキ共育塾/家庭教師キズキ家学で、不登校のお子さんを、13年間で3,000名以上サポートしてまいりました。不登校についての無料相談を行っており、親御さん自身のお悩みもご相談いただけます。少しでも気になるようでしたら、お気軽にご連絡ください。
目次
不登校による勉強の遅れは取り戻せる

「不登校で子どもの勉強が遅れないだろうか」「勉強が遅れると進路に影響しないだろうか」と心配される親御さんも多いと思います。
まず、勉強が再開できれば遅れは取り戻せますので、ご安心ください(ブランクがあると、追いつくのには多少時間は必要です)。
実際に私が担当する不登校の生徒も、自分のわからない部分から順番に勉強していくことで遅れを取り戻していきます。
私自身の場合で言えば、自分で考えながら勉強することで、遅れを取り戻すだけでなく独学する力が身につき、勉強の楽しさも知りました。
勉強は、学校へ行く・行かないに関わらず、子供の進路や将来の可能性を広げる上で、大きな助けになることは間違いありません。「子どもに勉強を続けてほしい」という親御さんの気持ちは十分にわかります。
とは言うものの、不登校になると、学校に行っていた頃と比べて、どうしても勉強へのハードルが高くなることは、ご理解いただければ幸いです。
例えば、学校に行っている場合だと、授業を受けることで自然に勉強に取り組むことができますが、不登校で勉強を進める場合は、主体的に準備を進めて取り組まなくてはなりません。
子どもが勉強を再開するために親御さんができることは、勉強を再開するタイミングとサポートを見極めることです。
次章以下も参考に、勉強を再開するタイミングを見つけて、勉強にあたっての適切なサポートを行っていただければと思います(また、これも後述するように、親御さんだけで悩む必要はありません。不登校の専門家やサポート団体も、ぜひ利用してください)。
そうすることで、勉強再開にうまくつながり、やる気も継続するはずです。
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適切な勉強再開のタイミングを判断するための4つのポイント
私の経験からすると、勉強再開のタイミングを判断するためには、4つのポイントがあると考えています。
ここでは、不登校で勉強しない子どもにとって、適切なタイミングを判断するためのポイントをお話しします。
不登校の子どもが全員同じステップを踏むとは限りませんが、勉強再開のタイミングの判断にご参考ください。
ポイント①安心して元気で過ごせている

勉強も含めて、何か行動を起こすエネルギーを得るためには、お子さんの健康状態が良好であることが大切です。お子さんが安心して勉強を再開するためには、元気で安心して過ごせるようになることを優先しましょう。
逆に言うと、体調が悪かったり、気分がすぐれなかったりする状態では、勉強再開は難しいでしょう。心身ともに健康な状態でないにも関わらず、無理に勉強を再開すると、長く続かなかったり、勉強を嫌いになったりすることがあります。
元気で過ごせるようになるまでの間は、学校や勉強のことは気にせずに、お子さんの好きなことを安心して取り組める環境が必要です。テレビを見たり、マンガを読んだり、ボーッと過ごすだけの時間も大切です。
私が学校を休み始めた頃は、何もやる気が起きませんでした。しかし、学校のことを忘れてテレビで好きなスポーツ観戦をしていると、少しずつですがエネルギーも回復して、勉強にも気が向くようになりました。
ポイント②自発的に活動ができている

安心して元気で過ごせるようになっても、自発的に活動ができないうちは、勉強再開を控えましょう。
「テレビやスマホばかり見ているなら勉強してほしい」と思われることもあるかもしれません。しかし、受け身的に何か楽しむことと、勉強のように自発的に何かを行うことは、大きく異なります。
お子さんの好きなことでもよいので、自発的に活動できるようにサポートをしましょう。例えば、簡単に始められるような習いごとに通うのも一つの手段です。
ポイント③長時間集中して物事に取り組める

お子さんが自発的に活動できるようになったら、「長時間集中して物ごとに取り組めるかどうか」を確認してみましょう。
不登校で勉強を再開する場合、塾や家庭教師を利用することも多いかと思います。その場合、授業は1時間〜1時間30分が基本となりますので、その間は授業に取り組めるだけの集中力が必要です。
お子さんがある程度の長い時間にわたって集中できる状態にあれば、再開した勉強を継続しやすくなります。
もしこの時点で、お子さんが好きなことや習いごとなどに自発的に何かに取り組んでいるのであれば、それを集中力の参考にすることも可能です。
その取り組みを通して、「この子は集中力が養われてきたかな」「もう少し見守ることが必要かな」といったように、勉強再開に向けての目安にすることをオススメします。
ポイント④勉強の話題を出しても嫌がらない

自発的に長時間集中して物ごとに取り組めるようになったら、勉強再開まではもうすぐです。
最後に確認しておきたいのは、「勉強の話題を出しても嫌がらないかどうか」です
勉強と聞くと学校のことを思い出して、気分が悪くなったり、悩んでいたときの気持ちを思い出したりする子どもがいます。勉強の話題を嫌がるうちは、無理強いすることなく、勉強を再開することは控えておきましょう。
好きなことを通じて学校以外の居場所ができたり、習いごとを通じて自己肯定感を持てるようになったりすると、勉強にも自然と取り組めるようになるので、焦らずに待ちましょう。
また、勉強の再開を提案する際は、決して押しつけにならないよう留意しなければなりません。
「そろそろ勉強しなさい」といったように押しつけるのではなく、「勉強やってみる?」と本人が「やる」か「やらないか」選べるような形がよいでしょう。その際は、すぐ取りかかれるような問題やコンテンツを用意しておくと、「勉強できた」という小さな成功体験を積むことができるのでオススメです。
補足:専門家やカウンセラーを利用しましょう
ここまで、不登校の子どもが勉強を再開するタイミングを紹介してきましたが、親御さんだけでの見極めは非常に難しいものです。
なぜなら、繰り返しになりますが、不登校の子ども全員が、勉強再開に向けて同じステップを踏むとは限らないからです。勉強再開に向けて長い時間が必要な子どもがいれば、短期間で勉強へ意欲的になる子どもがいたりと、そのステップの踏み方も様々です。
そして、「不登校のお子さんと、勉強」のことは、親御さんだけで抱え込む必要はありません。
不登校の専門家やカウンセラーは、その解決に向けてのノウハウを持っています。不登校について知識やサポート経験の豊富な専門家やカウンセラーを利用することで、勉強以外のことも含めて、「あなたのお子さんへの具体的な対応」がわかっていきます。。
無料で相談を受けているところも多いので、ご家庭内だけでお悩みを抱えることがないよう、積極的に相談されることをオススメします(私たちキズキ(個別指導塾・キズキ共育塾/家庭教師・キズキ家学)でも、無料相談を受け付けています)。
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オススメの勉強サポート法6選
勉強再開が可能なタイミングを見極めることができたら、早速実践へ向けて、お子さんが勉強できる環境を整えるようにしましょう。このときに適切なサポートを行うことで、勉強再開がしやすかったり、継続しやすかったりします。
ここでは、私の経験に基づいて、オススメの勉強サポート法を6つ紹介します。
サポート①家庭教師

不登校でお子さんが外に出るのを面倒・大変・怖いなどと感じている場合、家に来てくれる家庭教師はオススメのサポート法です。
周りの目も気になりませんし、勉強が遅れていても自分のペースに合わせて学習が可能です。
ただ集団の授業とは違って、1対1の指導になるので、講師との相性が大切になります。
まずは、体験授業を申し込んだり、不登校の支援実績がある家庭教師のサービスを検討してみたりするとよいでしょう(私たちキズキは、不登校のお子さんのための家庭教師・キズキ家学を運営しています。ご相談は無料ですので、ぜひご連絡ください)。
サポート②塾

外に出ることが問題ないのであれば、塾もオススメです。
塾は勉強サポートとしても役立つだけではなく、決まった時間に決まった場所に行くことで、生活リズムを安定させることにもつながります。
集団指導の塾だと遅れを気にして入りにくい場合は、個別指導の塾がよいでしょう(私たちキズキは、不登校のお子さんのための個別指導塾・キズキ共育塾を運営しています。ご相談は無料ですので、ぜひご連絡ください)。
サポート③フリースクール
お子さんによっては、フリースクールが選択肢の一つになるかもしれません。
フリースクールは、何らかの理由から学校に行くことができない子どもたちが、学校の代わりに過ごす場所です。
民間の教育機関なので方針は様々ですが、基本的には学校に代わる学びの場を提供しています。
フリースクールは、勉強だけでなく、同世代の友人との交流の場にもなるため、不登校の間に家庭外でのコミュニケーションが不足している場合には、それを補える場になるかもしれません。
ただし、お子さんが「集団生活が苦手で不登校になった」という場合は、フリースクールに通うことで、再度ストレスを抱えることがあるかもしれません。
気になるところがあれば、まずは、実際に訪問して話を聞いてみるとよいでしょう。
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サポート④通信教育

「好きな時間に、自分のペースで学習を進める」ことがお子さんに向いている場合は、通信教育を利用するのも一つの手段です。
1か月ごとに課題を設けている通信教育もあるので、お子さんも目標を設定しやいでしょう。
また、「長時間は難しいけど、少しずつなら勉強できる」という場合でも、通信教育であれば、自分のペースで学習を進めることが可能です。
かつ、基本自宅で学習が可能なため、「近くに家庭教師や塾がない」「まだ外に出るのが難しそう」といった際にもオススメです。
しかし、自分のペースで学習を進められる分、自発的に取り掛かるまでに、お子さんが苦労する場合もあります。
その際は、お子さんと「1日の中でこの時間は一緒に勉強しよう」と提案して、学習のサポートをするとよいでしょう。
サポート⑤動画授業(Youtubeなど)

お子さんがひたすら机に向かって勉強することが難しいという場合は、動画授業がオススメです。
用意された問題を解いたり、必要なことをノートに書いたりすることは、お子さんの体力と気力を消耗しますし、向き不向きもあります。
その点、動画授業だと基本的には見るだけの作業になりますし、机の上でなくても勉強が可能です。
さらに、最近の動画授業は非常にレベルが高く、自宅にいながら質の高い授業を受けることができます。
動画はYouTubeなどでも手軽に探すことが可能ですし、お子さんが勉強に対して感じているハードルを比較的容易に取り除くこともできるため、勉強を再開するきっかけとしてオススメです。
お子さんが動画授業に慣れてきたら、参考書を読む、問題集を解くなど次のステップに進めるとよいでしょう。
以下に私がオススメする動画をご紹介しますので、よければ勉強再開のきっかけにしてみてください(名称クリックで、公式サイトが新しいタブで開きます)。
- Try IT(トライイット) 「家庭教師のトライ」でおなじみの株式会社トライグループによる運営です。中学生・高校生向けの映像授業を無料で観ることができます。
- QuizKnock クイズ番組に多数出演する、東大出身のクイズ王を中心としたメンバーが運営しているYouTubeチャンネルです。勉強法の解説はもちろんのこと、クイズを通して知識を学べる動画など、勉強に役立つ動画が多数あります。
- 【YouTube】Historia Mundi 「ムンディ先生」の愛称で親しまれている高校の社会科教師、山崎圭一先生によるYouTubeチャンネルです。世界史を中心に、日本史、地理といった大学受験に必要な科目をわかりやすく解説しています。
- スタディサプリ リクルートマーケティングパートナーズが運営しているインターネット予備校です。月額980円とお金はかかりますが、簡単なテキストもついてきます。
サポート⑥学習マンガ
学習マンガも、動画と同様に取り組みやすい方法です。
歴史や古典など、教科書では難しく感じる内容でも、マンガであれば理解しやすくなります。
「学研まんが」や「角川まんが学習シリーズ」など、様々な出版社が学習マンガを発売しています。
マンガを楽しみながら学習できるので、勉強再開のきっかけにもオススメです。
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最後に:勉強再開に向けてスモールステップで取り組みましょう

お子さんが不登校になると、親御さんには様々な不安があると思います。不登校で勉強しないお子さんに対して、「勉強させなくては」と焦る気持ちはとてもわかります。
「勉強しない」という状態は解決できますので、まずはそのようにご安心ください。
専門家やサポート団体も利用しつつ、お子さんの状態を見極めながら、勉強が再開しやすいようにサポートすると勉強もしやすくなります。
そして、勉強再開後は、いきなり何時間も勉強できるわけではありません。1日5分、週1日からでもよいので少しずつ慣れていくことが大切です。
今回の記事を参考にしていただき、焦りすぎずに少しずつスモールステップで取り組んでみましょう。
不登校のお子さんに寄り添い、サポートする塾&家庭教師【キズキ】/親御さんもお子さんも、「次の一歩」に進めます/相談無料/関東・東海・関西(オンライン授業は全国対応)

監修:安田祐輔
やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。2021年4月、株式会社グロップからの事業譲受によって「家庭教師キズキ家学」の運営を開始。
【単著】
『暗闇でも走る(講談社)』『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(翔泳社)』『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法(KADOKAWA)』
【メディア出演(一部)】
2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)
【インタビュー・寄稿など(一部)】