不登校のはじまりから次の進路まで一貫して大切なかかわりを紹介。

不登校のはじまり

家族に対して自分のことを話さなくなる、交友関係が次第に狭くなる、自己中心的な考えや行動を取るなどの兆候が見えたら、それはお子さんが無言のうちに発している「SOS」のサインかもしれません。

誰であっても自分に自信がない時や気力がわかない時には、目的から目をそらしたり、人との交流から距離を置きたくなるときがあります。
自分では解決できない問題に直面した時でも、周囲の人の力を借りることができれば、状況を変えることができます。しかし逆に、自ら周囲の人とのかかわりを断ち、本当は助けて欲しいのにそれも言えない、という状況が続いたとしたらどうでしょうか。

文科省が平成4年に「不登校は特定の子どもに特有の問題があることによって起こることではなく“誰にでもおこりうる”」ことであると、不登校についての捉え方を変えました。不登校は、友人関係、生活の乱れ、学業不振、家族との関係など複合的な要因を背景に起こってきますが、自分ではどうすることもできない状況に陥り、ついに学校を休まざるを得なくなった、と捉え直す必要があります。

学校に行けなくなる課程のなかで、お子さんが何を感じ、何を考えていたのか、その気持ちを理解することが第一に必要です。しかし一方で、学校に戻るために必要なかかわりや取り組みを行わずに様子を見ることによりそのままの状態が続くと、進路が次第に狭まっていきます。

お子様と向き合っていくことは、確かに簡単なことではないかもしれません。しかし、ただ待っていても時間が過ぎて行ってしまします。不登校に関する悩みを解決していくには、どんな時でも、まずお子さんの気持ちを「受容」し、それから「行動」を促すという順序があるのです。

受容することの意味

「受容する」とはどういう意味ですか?とよくご質問を受けることがあります。

受容することとは、決して子どもの好き勝手にさせておくことや、何も言わずに見守っていることではありません。
一言でいえば、受容するとは、現在のあるがままの状態をあるがままに受け止めることです。

学校に行かないことは許されないことだ、勉強しないと将来がどうにかなってしまう、というように、否定したり、評価を下すのではなく、学校に通っていない状態であること、勉強をしていない状態であることを認める必要があります。

お子さんに起こっていることをあるがままに受け止められるようになると、「なぜ学校に行けないのだろう?」「なぜ勉強が嫌なのだろう?」と、子どもの心の中で何が起きているのかということに関心を持てるようになります。

具体的な行動としては、子どもが無言のうちに訴えようとしていることを、理解したいと思っているという姿勢をお子さんに対して示すことです。

子どもは自分の気持ちを理解してもらえると安心し、受け止めてもらえるからこそ、心の中の捉われが消え、違う考え方ができるようになります。
さらに受容的な対応の中で、お子さんの考えていること、求めていることがわかり、これからの対応の方向性が見え、一緒に行動を起こす準備が整えられるのです。

行動を起こす大切さ

一方で、時間が経過すればするほど、不登校のきっかけとなった原因以外に、学校に戻ったり進学したりするうえで壁になる課題が出てきます。

例えば「学習の遅れ」や「人間関係の減少」、「生活リズムの乱れ」が起こり、学校に戻りたくても戻れない、高校や大学に進学したくてもできない、という状態に陥ることがあります。

何か新しい行動を起こすということは、少なからず抵抗感があります。

その抵抗を叱咤激励で乗り越えさせるのではなく、受容的な対応を土台にして「一緒に頑張ってみよう」と目標を共有することで、行動を促していきます。

今この時に何ができるかはお子さんの状態によって様々ですが、取り組みやすいことからで構わないので、少しずつでも行動を促していくことです。

何か行動をはじめて、そこで足が止まってしまったとしても、受容的な対応を守り、不安を取り除き、また行動を促して、お子さんの成長を手助けしていきます。
変化はゆっくりかもしれませんが、行動できたことはしっかりお子さんの中に根付き、自信につながっていきます。行動ができるようになってきたら、ひとつずつできることを増やし、お子さん自身に力をつけていくという、かかわりが必要なのです。

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