「情緒混乱型」(旧「良い子息切れ型タイプ」)の特徴と留意点

タイプ2 情緒混乱型

特徴

  • ・感受性が強く、内向的なものの考え方をしがちである。

  • ・勉強やスポーツ等を頑張り、親や教師の期待に応えようと努力してきた。

  • ・性格的には真面目で几帳面、神経質で完璧思考がある。

  • ・不登校になる以前は皆勤に近い状態であることも少なくない。

  • ・学校を休むことへの罪悪感が強く、家に閉じこもりがちである。

留意点

  • ・これまでの本人の頑張りを認め、本人の挫折感を認めることが大切である。

  • ・状況を打開するために励ましたり、より頑張らせたりすることは逆効果になるため注意が必要である。

  • ・期待をかけないように態度を一変させると、見捨てられたのではないかという不安が起こるため注意が必要である。

  • ・登校への意欲を見せるまでは、登校刺激は避けた方が良い。

  • ・子どもの意思にあった目標や進め方を一緒に考え、援助していくことが大切である。

 

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情緒混乱型の前駆期

回復期 逃避期 苦悶期 休息期

状態や症状

  • ・前日の夜や朝の登校時間帯は登校する意思を見せるが、頭痛、腹痛、発熱、吐き気などの身体症状が出て登校できなくなる。

  • ・昼頃や学校が終わる時間帯になると元気になってくる。

  • ・登校しなければならないという気持ちが強く、遅刻や早退はきらい、普段通りの登校にこだわる傾向がある。

  • ・両親に対しては甘えを見せる反面、拒否的な態度を取ろうとする。

親の対応と学校との連携

  • ・いつもと違う様子や元気がなくなって来たら、まず子どもの気持ちや訴えをじっくり聴いてやる。

  • ・子どもの焦りや不安感を受け止め、頑張りを認めながら、抱えている問題を一緒に考えていく。

  • ・自分の悪い面ばかり見ている場合は、良い面をたくさん見つけて励ます。

  • ・学校に行きたくない理由を子どもが話したがらない場合は、無理に聞き出すことは避ける。

  • ・学校に子どもと信頼関係が深い先生がいる場合は、家庭での様子を知らせ、本人の気持ちや訴えを聴いてもらうようにお願いする。

情緒混乱型の進行期

回復期 逃避期 苦悶期 休息期

状態や症状

  • ・不安や焦りが強くなるため、ネットへ逃避したり、睡眠の問題が起こるようになり、昼夜逆転の状態になる。

  • ・家族と話そうとせず、食事も一緒に取らなくなり、自分の部屋に閉じこもりがちになる。

  • ・親の対応によっては、拒否的、反抗的な態度を取ったり、時には暴力的な行動をとることもある。

  • ・親に無理難題を要求したり、場合によっては、金品を要求することがある。

  • ・自傷行為や、拒食(過食)等の症状を出す場合もある。

親の対応と学校との連携

  • ・まずは否定的な言葉を言ったり、登校刺激をすることを避け、本人を追い詰めるようなことはやめる。

  • ・休み始めたら、本人にはしばらく休んでもいいことを伝え、安心感を与える。

  • ・子ども話すことができたら、本人の思いをひたすら聴き、受け止める。話の最後にアドバイスをしたり、これからの行動を指示するようなことは避ける。

  • ・本人の思いを受け止める親の方にも負担がかかるので、場合によっては信頼できる相談機関を探す。

情緒混乱型の混乱期

回復期 逃避期 苦悶期 休息期

状態や症状

  • ・しばらく学校に行かなくていいことが分かると、自責の念が軽減され、身体症状が軽減されてくる。

  • ・昼夜逆転の状態が少しずつ変化し、昼前には起きてくるなど、生活リズムが戻り始める。

  • ・家族とのコミュニケーションが増えたり、学校のこと話題にしても以前ほどの抵抗感がなくなってくる。

  • ・勉強が遅れていることや、進路や将来などこれから先のことが見えないために、不安や葛藤が増大してくる。

親の対応と学校との連携

  • ・失敗やつまずくことがあっても良いこと、いろいろな選択肢があることを伝え、一緒にやり直して行こうと伝える。

  • 本人の興味や関心のあることを広げるために、できそうなことから一緒に行動を起こしていく。

  • ・勉強や同級生からの遅れが気になっている場合は、親から学校に連絡を取り、学校の様子を伝えて安心させる。

  • ・見守るだけの対応ではなく、学校復帰に向けて具体的に取り組むことを準備した方が、不安や葛藤に整理がつけられる。

  • ・家庭訪問に抵抗がなければ、学校の先生に来てもらい、楽しい話を中心にして安心感をもたせることも良い。

情緒混乱型の回復期

回復期 逃避期 苦悶期 休息期

状態や症状

  • ・心的エネルギーが戻り出し、家にいるときには気分的に自由になることができている。

  • ・これから先のことについて漠然とした不安や焦りを感じつつも、サポートがあれば学習をすることもできる。

  • ・登校を促すこともできるようになり、午前中だけの登校や保健室への登校など、慣らし登校に挑戦できるようになる。

  • ・登校した場合、学校では元気そうに振舞うが、まだ不安や緊張が強く、家に帰るとぐったりする状態が続く。

親の対応と学校との連携

  • ・勉強の遅れや体力の低下、生活習慣の乱れなど具体的な課題に対して対処し、学校に戻る自信をつけていく対応が必要になる。

  • ・慣らし登校を行う場合、本人の希望を活かすようにするが、登校時間や登校日数は段階的に増やしていく方が良い。

  • ・クラスで奇異な目で見られたり、孤立したりしないよう、先生や仲の良い友達にかかわってもらう。

  • ・慣らし登校を始めてしばらくの間は、精神的にも肉体的にも疲労が溜まるので、家庭で十分な休息と回復が図れるようにサポートする。

 

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