子供の発達障害の種類|それぞれの特性・受けられる支援・相談先も
キズキには、発達障害(の傾向)のある生徒さんがいらっしゃいます。
また、医師による診断を受けておらず、「私はADHDかもしれない」「学習障害(LD)があるのかな」と自分の症状を不安を感じている方もいます。
あなたも、お子さんが発達障害の診断を受けて、または発達障害かもしれないと思い、お悩みなのではないでしょうか?
発達障害には、いくつかの種類があります。
また、近年では発達障害の種類の名称や分類が変更され、ますます複雑になってきています。
そこでこのコラムでは、発達障害の主な3種類「自閉スペクトラム症(ASD)」「注意欠如・多動症(ADHD)」「限局性学習障害(SLD)」を中心に、次の内容をお伝えします。
この記事を読んでわかること
- 発達障害の概要
- 子供の発達障害の種類とその特性・特徴
- 頼れる支援先・相談先など
このコラムで、発達障害のお子さんへの理解が深まり、お子さんと親御さんの「生きやすくなる」のきっかけとなれば幸いです。
なお、このコラムは、全体的を通してキズキの知見及び以下の書籍を参考にしています。
- 『子どもの発達障害と支援のしかたがわかる本』西永堅、日本実業出版社(以下「出典 西永」)
- 『最新図解 発達障害の子どもたちをサポートする本』榊原洋一、ナツメ社(以下「出典 榊原」)
- 『イラスト図解 発達障害の子どもの心と行動がわかる本』田中康雄著、西東社(以下「参考:田中」)
目次
発達障害の概要
発達障害とは「発達の偏りや遅れ」があること
「発達障害」とは、「発達の偏りや遅れ」のことです。
偏りや遅れの程度・特徴によって、「自閉スペクトラム症」「ADHD」「学習障害」などの種類が異なります。
親御さん世代が子供の頃にも、漢字や計算が苦手な子やけんかっ早い子、忘れ物が多い子、友達と仲よくできない子などがクラスにいたかと思います。
昔は発達障害という考え方が一般的ではなかったので、そのような子供は「困った子」「変な子」として放置されることも少なくありませんでした。
しかし、医学や教育制度が発達した近年は、そのような子供たち(の一部)を発達障害という新しい概念で理解し、支援しようという風潮になっているのです。
発達障害の発達とは「何かができるようになる」こと
発達障害の「発達」とは、運動・言語・認知・社会性などが成長して「できるようになること」です。
子供は、年齢に応じて色々なことができるようになっていきます。
例えば、次のようなことが挙げられます。
- 言語…読み書き、表現など
- 運動…ハイハイ、走る、投げる、泳ぐなど
- 認知…問題を解決する、計画を立てるなど
- 社会性…集団行動、マナーを守るなど
発達障害では、このような発達が偏っていたり、ゆっくりだったり、部分的に困難だったりするのです。
つまり、学生時代にクラスにいた「漢字が苦手だった子」は、言語の発達が遅れていた可能性が考えられます。
また、「友達と仲よくできなかった子」は、社会性の発達が遅れていた可能性があるのです。
このように、発達障害によって、さまざまな種類の発達の遅れがみられます。
発達障害の子供は1クラスに2〜3人いると想定される
2012年に文科省が行った調査では、全国の小中学校(通常学級)に、発達障害の疑いを持った子が6.5%、人数にすると約67万人いると報告されています。(出典:文部科学省※PDF「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果」)
この調査結果に基づくと、発達障害の子供は、1学級(40人)の中に約2~3人存在していることが考えられます。
つまり、発達障害は決して珍しいことではないのです(ただしこの調査は医師の診断を伴うものではないため断言はできません)。
発達障害の子供は「その子なりの発達」を見ることが大切
発達障害の子供は「発達が遅れている部分」以外は、ほかの子供と同じように見えます。
そのため、次のような誤解を受けやすい面があるのです。
誤解の例
- なまけている
- 甘やかされている
- 変な子だ
発達障害である場合、各発達は同年代の子供の平均と比べて、ゆっくりであったり困難であったりしますが、全く発達しないわけではありません。
また、「普通」であることや「早い」ことだけがいいわけではありません。
他の子供と比べるのではなく、その子自身の発達を見ていくことが大切になのです。
その子のペースに合わせて必要に応じて支援を行いながら、「できること」を増やすことを心掛けてください。
なお、昔は「発達は18~20歳くらいまでに完了する」と考えられていました。しかし近年では、人は一生にわたって発達するという「生涯発達」が主流になってきています。
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詳しく見る子供の発達障害の種類
子供の発達障害の種類は、次の通りです。
- 自閉スペクトラム症(ASD)
- 注意欠如・多動症(ADHD)
- 限局性学習症(SLD)
(出典『新・社会福祉士養成講座 人体の構造と機能およびその疾病』中央法規)
以下、発達障害の種類別に、詳しく解説します。
種類①自閉スペクトラム症【ASD】
自閉スペクトラム症(ASD)とは、「社会性の困難」が中心となる発達障害です。
旧名称では、「広汎性発達障害(アスペルガー症候群、自閉症、高機能自閉症など)」とされていました。
ASDは、主に次のような特性・特徴が見られます。
- 社会性やコミュニケーションに障害がある
- こだわりが強く、興味や関心の幅が狭い
- 感覚・知覚過敏があることもある(体を触られるのを嫌がる、味覚が偏って給食が食べられない、砂の感触が嫌で砂遊びができないなど)
かつては、「自閉症」の8割は知的障害の範疇にあると考えられていました。しかし、知的障害ではない自閉症の子供もいることが分かっています。
そこで、知的障害ではないけれど言葉の発達に遅れがある自閉症のことを「高機能自閉症」、言葉の発達に遅れがないものを「アスペルガー症候群」と呼ばれていました。
現在では、知的障害のある自閉症、高機能自閉症、アスペルガー症候群などを併せて「自閉スペクトラム症」と言います。
ドラマなどで描かれる、驚異的な記憶力を持つ「サヴァン症候群」も自閉スペクトラム症の中の1つの種類です。
自閉スペクトラム症には、知的障害のある子から、通常学級にいて知的にも問題なく、勉強ができる子まで様々な子供が含まれます。
自閉スペクトラム症(ASD)の子供に見られる主な特徴は、次の通りです(あくまで一例です)。
乳児期には「共同注視」と呼ばれる行動が困難
- 「共同注視」とは、母親と目を合わせる、指差しして母親の注意を促すなどのことです。
こだわりや常同行動がある
- 次のような、「ある行動」を常に繰り返すことがあります。
<例>
・クルクル回る扇風機の羽を一人でずっと眺め続ける
・ミニカーを延々と並べ続ける
・通学路は必ず同じ道を通る
・同じ色の洋服を着続ける
抽象的概念の理解が苦手
- 「廊下を走らない」と言われても理解ができないことがあります。具体的に「廊下では歩くように」と言われることで、理解できます。
他の子と遊べない
- そもそも他の子と遊ぶことに関心のない子もいれば、関心があっても人間関係や遊びのルールなどを理解できずうまく遊べない子もいます。
- 暗黙の了解や空気を読むことが苦手
- 冗談や皮肉を理解できない
- 一方的に自分の興味のあることだけを話す
- 相手が不快になることを言ってしまう
- 特徴的な言葉を話す(オウム返し、せりふのように抑揚のない喋り方など)
また、知的に遅れがない自閉スペクトラム症の子は、非常に高い記憶力を持ち、知識が豊富で語彙数が多く、言語IQも高いことがあります。
学業はよくできるために学生時代は困難に気づかれにくく、社会に出てはじめて大きな壁にぶつかる人も珍しくありません。
種類②注意欠如・多動症【ADHD】
注意欠如・多動症【ADHD】とは、「不注意」「多動性」「衝動性」の3つを特徴とする発達障害の種類の1つです。
旧名称は、「注意欠陥・多動性障害」でした。
ADHDの特徴は、発達障害ではなくてもある程度誰にでも見られます。
そのため、ADHDの診断には次のような条件が設けられているのです。
- 「不注意」「多動性」「衝動性」のうちのいくつかが、12歳以前から存在すること
- 2つ以上の場所(学校と家庭/学校と習い事など)で見られること
- 6か月以上持続していること
- そのために勉強や学校生活などに著しい困難があること
「学校では集中できるのに家では全く集中できない」「家ではきちんとできるのに学校では緊張してできない」などの場合は、ADHDとは別の原因であることが考えられます。
よく見られる特徴(あくまで一例です)
- 話しかけられても、聞いていない様子を見せる。生返事をする
- 勉強を計画通りに進められず、途中で投げ出したり、夜遅くまでかかったりする
- 宿題や持ち物などを紛失したり忘れたりする
- 集中できない
- 授業中にそわそわしてじっと座れない、席を立ってしまう
- バスや電車の中でじっとしていられない
- 思ったことをすぐ口に出してしまう
- カッとなって衝動的に友達の邪魔をする
ADHDに対しては薬物療法を行うことがあります。
これは、AHDHの根本を「治療」するためのものではなく、不注意・多動性・衝動性を抑えるための対症療法です。
子供に薬物療法を行うことに抵抗がある親御さんもいらっしゃるかもしれませんが、ADHDの程度によっては薬で症状を緩和することで、落ち着いた生活や学習が可能になることもあります。
医師とよく相談した上で、納得できるようでしたら薬物療法も検討してみてください。
なお、ADHDの特性は、大人になると半数が見られなくなります。
ただし、特性自体が「消える」わけではありません。青年期・成人期になるにつれて、自分自身を客観視する能力が育つことで、自己管理できるようになるのです。
また、自己管理が難しい場合でも支援者や専門家の支援やサポートにより、意識的に自分自身を客観視する方法を身につけられることもあります。
種類③限局性学習症【SLD】
限局性学習症では、全般的な知的発達に遅れはなく、「聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する」の能力のうち、特定のものに限り習得や使用が難しいのです。
旧名称は、「学習障害・LD」でした。
なお、「習得と使用が難しい直接的な理由が、視覚障害、聴覚障害、知的障害、家庭環境」などの場合は、限局性学習症には含まれません。
限局性学習症は、できる教科とできない教科の差が激しいため、「ただやる気がないだけ」と思われがちです。
実際に、学校や塾の先生などから「やる気がないのか、それとも障害のためにできないのか?」といった疑問を持たれることも少なくありません。
これには、密接な関連があります。
特性により苦手な分野があることが前提として、苦手な分野に対してやる気が出ないことはよくあることです。
苦手な分野にやる気が出ないのは、限局性学習症に関係なく起こりうることでしょう。
しかし、その上でも限局性学習症の子供を支援する場合は、特性への配慮が必要になります。
ただし、特性だけではなくやる気も含めて、その子が困難を緩和できるよう方法を考えることが大切です。
また、「勉強ができないこと」に対する叱責があまりに続くと、勉強そのものへのやる気がそがれ自信を失い二次障害(※)につながることもあります。
※二次障害とは、うつ、不登校、家庭内暴力、非行など、発達障害のストレスが原因で二次的に起こる現象のこと。
よく見られる特徴(あくまで一例です)
- 音読や黙読が不得意
- 計算が苦手
- 文章題ができない
- 文字を正しく書けない
- 図形の理解ができない
「限局性学習症」の場合、苦手な分野ができない悔しさと、それをバカにされたり叱責されたりした悔しさの「二重の悔しさ」を抱えている子供が多いです。
学力面で困難があると、それが友人関係などにも影響して、学校生活自体を楽しく送ることが難しいこともあります。
参考①:複数の神経発達症群のある子供もいる
以上、神経発達症群(発達障害)の代表的な3つの種類を解説しました。
それぞれの分類で紹介した特性の例は、その診断名がついたからと言って必ず当てはまるわけではありません。
また、「ASDとADHDがある」「ADHDとLDがある」など、複数の種類の障害が併存する子供も多くいます。
そして、代表的な3つ以外にも、コミュニケーション症群(ことばの発達に関連するもの)や運動症群(チック症、常同運動症、発達性協調運動症など、日常生活を送る上で体の動きに問題があるもの)などの神経発達症群もあります。
何度も繰り返しますが、診断は医師にしかできません。また、子供の支援を親だけで対応する必要はなく、適切に専門家を頼ったり相談したりすることが大切です。
サポートや支援を行っている団体や機関、支援者がたくさんいると覚えておくと、子供だけではなく親御さんの気持ちも楽になるでしょう。。
参考②:発達障害と知的障害の関係
知的障害とは、知的発達の遅れ・社会性への適応の遅れ・18歳未満の発症の3条件がそろったもののことです。
そのため、知的障害とその他の発達障害とでは、明確な線引きができるわけではありません。
次のようなケースもよくあるようです。(出典 西永)
- 子供も親も気がつかなかったけれど、実は発達障害と知的障害が併存していた
- ASDで適切な支援を受けられないまま、ある部分の発達が著しく遅れて成長した結果、知的障害だと診断された
親としては、「子供の特性が発達障害によるものか、知的障害によるものか」の区別は知りたいかもしれません。
そのお気持ちはよくわかりますが、大切なことは、発達障害であれ知的障害であれ、子供の特性に合った適切な支援を受けられるようにすることです。
発達障害同様に知的障害も気になる場合は、医師の診断を受けた上で、その他の支援者・専門家などにも相談しましょう。
発達障害の名称の変更
この章では、2013年の、発達障害関係の医学的な名称・診断分類の変更について解説します。
①発達障害から神経発達症群へ
アメリカ精神医学会が、「DSM」というものを作成しています。
これは、医師が診断を行う際の根拠となる「精神疾患に関する診断基準(マニュアル)」のことです。
日本の精神科の医師は、この診断基準(DSM)の内容に従って、患者の病名の診断を行います。
医学は日々進歩しているため、DSMも定期的に新しいものに改訂されます。
2013年にもDSMが改訂され、「DSM-5」という新しいバージョンが発表されました。
その中で、実は、かつて「発達障害」と呼ばれていたものは、現在は「神経発達症群」というカテゴリー・名称に変更されているのです。
②発達障害の各分類の変更
加えて、発達障害(神経発達症群)の中の分類・名称も次のように変更されました。
- 旧:広汎性発達障害(自閉症、アスペルガー症候群、高機能自閉症など)
→現:自閉スペクトラム症(ASD) - 旧:注意欠陥多動性障害
→現:注意欠如多動症(旧現どちらもADHDとも呼ばれる) - 旧:学習障害(LD)
→現:限局性学習症(SLD)
DSMと並ぶもう一つの世界的な診断基準、「国際疾病分類(ICD)」においても、「発達障害」は「神経発達症群」と名称変更されました。
③実際は新旧の名称・分類が混在している
親御さんも、学校や病院で「神経発達症群」「自閉スペクトラム症」などの新しい言葉を耳にする機会が増えているかもしれません。
一方で、医療現場や一般社会では古い名称も未だに使用されており、新旧様々な名称が混在しているのが現状です。
また、各種法律や公的支援機関でも、発達障害という名前が使われ続けていることも珍しくありません。
この記事でも、そうしたことを考慮して、あえて発達障害という言葉を使っています。
各種の名称や診断基準の理解は、子供たちを適切に支援するために重要です。
ただし、その上で子供の特性や特徴の現れ方、特性に伴う困難は、多種多様です。
診断の名称・内容は一般論です。そのため、実際に子供を支援・サポートする際には、その子供の特性・特徴をよく理解することが必要になります。
発達障害の原因
発達障害の原因はわかっていない
発達障害のお子さんをお持ちの親御さんの中には、発達障害の原因が気になる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、発達障害の原因は、わかっていません。
ただし、「親の育て方や家庭環境が原因で発達障害になることはない」ことはわかっています(次項でも述べますが、生まれつきのものです)。
発達障害の人は、脳機能が通常の人(多数派の人、発達障害ではない人)とは違っています。それに伴い「ものの見方や考え方」も異なる、と考えられるのです。
例えば、揺れるカーテンをいつまでも見続ける発達障害の子供がいます。
その子たちは揺れるカーテンの光の反射、規則性、形状などに、定型発達の人(発達障害ではない人)が感じない美しさや驚きを感じるのかもしれません。
それは決して悪いことではなく、「そのような認知をする個性がある人」なのです。
発達障害は生まれつき発生している
発達障害は、生まれつき発生しています。つまり、生まれたときには「すでに発達障害である」のです。
そのため、「大人になってから発達障害になった」「思春期にいじめられて発達障害になった」などはありません。
ただし、「大人になってから発達障害であることに気づいた」人はいます。
例えば、大人になってから進学・就職などの生活の変化がきっかけで、これまで本人も周囲も気づかなかった発達障害に気づくことはよくあるのです。
補足しておくと、そうした「大人の発達障害」の診断の際には、幼少期から発達障害の特性があったかどうかが、判定の際に重要になります。
逆に言うと、最近まで発達障害の特性がなかったのであれば、「発達障害に見えるけれど、別の状態である」可能性があります(もちろん、実際の判断は医師のみが行えます)。
発達障害は治らないが「対応・対策」はある
さきほどもお伝えした通り、発達障害は生まれつきの脳機能の偏りであり、現代の医学で「治る」ものではありません。
そもそも、発達障害は病気のように原因を見つけて「治療」するものではない、という考え方もあります。
ただし、その子供自身の成長に伴って、(ゆっくりながらも)特性が「改善」していく場合はあるのです。
とはいえ、発達障害の子供は、特性・特徴に伴って困難を抱えやすい傾向があります。
「病気の治療」とは異なりますが、発達障害による困難は、適切な支援を受けたり薬の服用で特性・特徴を抑えたりすることでやわらげられます。
つまり、特性の種類に合わせた対応・対策を行うことで、困難を軽減できるのです。
子供の発達障害と医療・支援
なぜなら、診察で「発達障害である」と診断された場合、診断後に変更できないからです。
①医師の検査を受けるかどうかも、相談できる
発達障害の診断があった方が、様々な(公的な)支援を受けやすくなります。
特性の程度によっては、障害者手帳も交付され、付随する支援を受けられます。
しかし、残念ながら発達障害への社会の偏見が全くないとは言い切れない現状があります。
また、診断によって、「お子さんにとって適切な支援がわかる」「お子さんが学校や家庭で過ごしやすくなる」のか、「他の人と違うという、新たな悩みを抱える」のかなどは、人によって異なります。
そうしたことから、検査に踏み切れない親御さんもいらっしゃることは事実です。
「子供が発達障害かもしれない、特性による困難も生じている、でも診断を受けるのが怖い…」とお悩みの場合は、まずは一度これから紹介する支援者・相談機関に相談してみましょう。
支援者・相談機関では、医師による診断を受けるかどうかも含めて、「どのような関わり方をし、どのような環境を整えられるのか」を相談できます。(出典 田中)
②検査を受ける場合は、病院を探す
子供が本当に発達障害かどうかを診断できるのは、医師だけです。
検査を受ける場合は、住んでいる地域に検査可能な病院があるかどうかを調べてみてください。
③発達障害者の自立を支援する「療育」
発達障害者の自立を支援する仕組みとして、「療育」があります。
「療育」とは、「障害のある子供とその家族を支援しようとする努力のすべて」のことです。(参考:宮田善広『子育てを支える療育』ぶどう社)
療育施設では、身支度・運動・食事・着目する練習などを行い、家族の療育相談なども受け付けています(具体的な内容は、その子供の特性によって違っています)。
1~2週間に1回、1~2時間行われることが多いようです。
療育を行っている施設は、お住まいの市区町村役所の福祉課や児童課、子育て支援センターや発達障害支援センターに相談すると見つかります(以上、出典 田中)
子供の発達障害の相談先
お子さんの発達障害(の傾向)については、支援者・専門家・相談機関などと話をすることが大切です。
代表的な相談先は、次の通りです。
- 発達障害の専門家がいる医療機関(小児神経科、児童精神科、発達外来など。近くにない場合や、精神科に抵抗がある場合には、かかりつけの小児科医に相談しましょう)
- 地域の小児科診療所
- 学校の担任、スクールカウンセラー
- 地域の保健センター、子育て支援センター、児童相談センター
- 地域の発達障害支援センター
- 発達障害の「親の会」
- 民間の発達障害支援機関(私たちキズキもその一つです)
まとめ:子供の発達障害は、種類問わず相談できます
西永先生は、書籍の中で、「どんなニーズ(支援)が必要な子供であっても、その子が生まれて来たことを喜べる社会が素晴らしいのだ」と書かれています。
この姿勢は、親や私たち教育に携わる者も含めて、「発達障害」の子供を取り巻くすべての大人に問われる姿勢ではないでしょうか。
親御さんに「子育ての苦労」があることはお察しいたします。その上で、「発達障害」を抱えながらも懸命に成長しようとしている、お子さんの存在そのものを喜べることを祈っています。
この記事が、お子さんと、親であるあなたのお役に立ちましたら幸いです。
さて、私たち、キズキは、発達障害、不登校、学校が苦手なお子さんのための塾&家庭教師です。
13年間で3,000名以上のお子さん、そして親御さんをサポート・支援してまいりました。
不登校のお子さんの勉強・生活・コミュニケーションなどの無料相談を行っており、親御さん自身のお悩みもご相談いただけます。
少しでも気になる方は、お気軽にご連絡ください。
監修:安田祐輔
やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための「キズキビジネスカレッジ」も運営。
【新著紹介】
『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法』
(2022年9月、KADOKAWA)
Amazon
KADOKAWA公式
【略歴】
2011年 キズキ共育塾開塾(2023年7月現在10校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年7月現在4校)
【著書など(一部)】
『暗闇でも走る(講談社)』『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(翔泳社)』)
【メディア出演(一部)】
2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)
共同監修:半村進
はんむら・すすむ。1982年、茨城県生まれ。東京大学文学部卒。
小学校時代から転校を繰り返し、運動ができないこと、アトピー性皮膚炎、独特の体形などから、いじめの対象になったり、学校に行きづらくなっていたことも。大学に入学してようやく安心できるかと思ったが、病気やメンタルの不調もあり、5年半ほど引きこもり生活を送る。30歳で「初めてのアルバイト」としてキズキ共育塾の講師となり、英語・世界史・国語などを担当。現在はキズキの社員として、不登校・引きこもり・中退・発達障害・社会人などの学び直し・進路・生活改善などについて、総計1,000名以上からの相談を実施。
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