学校に行きたくないあなたに伝える、行きたくない6つの理由と対処法
こんにちは、学校に行きたくない人たちのための塾と家庭教師・キズキの佐崎唯です。
あなたは、以下のようなことにお悩みではありませんか?
- 「なんだか学校に行きたくない。休んでもいいのかな?」
- 「今の学校は自分に合っていない気がする」
- 「学校以外の居場所がほしい」
このコラムではこうした悩みを抱えている方に、学校に行きたくないときの対処法を紹介します。
結論から言うと、以下の考え方や対処法がオススメです。
・短期的には、(回復を優先して)休んでもOK
・長期的には、必要に応じて休憩しつつ、「いまの学校」への登校を再開するかどうかは別として、「次の一歩」に進む方法を考える
論文や書籍の知見と、筆者の実体験をあわせてご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
「学校に行きたくない」とお悩みの方の参考になれば幸いです。
目次
「学校に行きたくない」と思っている人は多い
国立成育医療研究センターが行った「コロナ×こどもアンケート」(2021年6月)によると、「学校に行きたくない」と思っている小中高校生は全体の約40%にのぼります。(参考:国立成育医療研究センター「コロナ×こどもアンケート第6回調査 報告書」)
このように、「学校に行きたくない」と思っている人は多く、たくさんの人が同じ悩みを抱えていることがわかります。
同じようなお悩みを持つ人がたくさんいるということは、そのお悩みへの対処法もたくさんの人が考えたり試したりしているということです。
まずはそのようにご安心ください。
学校に行きたくないあなたのための塾&家庭教師【キズキ】相談無料/関東・東海・関西(オンライン授業は全国対応)
詳しく見る「学校に行きたくない」ときは休んでもよい
学校に行きたくないとき、休んでよいのでしょうか?
結論としては「短期的には休んでもよい」といえます。
それは、私たちキズキの実感として、以下のようなことが言えるからです。
- 「学校の勉強は、少し遅れたくらいなら取り戻せる」
- 「受験への影響も、少し休むくらいならない」
- 「友達は学校に行かないことを分かってくれるか、気にしないことが多い」
- 「部活が気になるなら、部活だけ出ることを学校に相談できる(※)」
※周りから「授業は来ないのに部活には出るの?」と言われた時の返答は先生などと一緒に考えることをオススメします。
また、「学校に行きたくない」という気持ちは、心のSOSサインである可能性があります。
子どものうつ病や燃え尽き症候群を防ぐためにも、無理をすることを避けましょう。(参考:ベスリTMS横浜醫院「うつ病とは?:子どものSOSサイン」、「【医師解説】燃え尽き症候群専門外来~燃え尽き症候群、バーンアウトってなに?~」)
そして、長期的に学校を休むことも、「悪いこと」ではありませんし、長い人生の中では必要な休息かもしれません。
ですが、「学校に行きたくない」という悩みをずっと持ち続けるのは苦しいかもしれません。
「いまの学校」で登校を再開するかどうかは別として、「次の一歩」に進む方法を、いろんな人とぜひ話してみてください。
お悩みを、あなた一人で抱え込む必要はありません。後で紹介するように、相談先はたくさんあります。(私たちキズキでも、無料相談を受け付けています)。
「学校に行きたくない」理由と、理由別の対処法
ここからは、学校に行きたくないよくある理由と対処法を紹介していきます。(参考:文部科学省※PDF「令和2年度不登校児童生徒の実態調査 結果の概要」)
なお、全てに共通する対処法には、次があります。
学校に行きたくない気持ちを相談できるところは、たくさんあります。
具体的な例は「相談できる場所のリスト」で紹介します。
繰り返すとおり、お悩みをあなた一人で抱え込まずに、「そうした悩みに詳しい人たち」にぜひ相談してみてください。
理由①「なんとなく行きたくない」
学校に行きたくない理由として、「なんとなく行きたくない」が挙げられます。
この記事を読んでいるあなたは、「なぜ学校に行きたくないのか?」と問われたときに明確な理由がないかもしれません。
しかし、「学校に行きたくない」という思いと「学校に行かなければいけない」という思いがぶつかりあって、つらい気持ちを抱えているはずです。
不登校児童生徒を対象にした調査では、小中学生の2割強が、最初に(学校に)行きづらいと感じ始めたときのことについて、「きっかけが何か自分でもよくわからない」と答えています。(参考:文部科学省※PDF「令和2年度不登校児童生徒の実態調査 結果の概要」)
また、不登校の子どもの様子について、書籍『学校の先生・SCにも知ってほしい:不登校の子どもに何が必要か (子どものこころと体シリーズ)』では以下のように述べられています。
外から見ると、テレビを見たり、マンガ本を読んだり、ゲームばかりして気楽に過ごしているように見えますが、内面では、自分はだめな人間だと思い、自信をなくし、そこからどう抜け出せばよいかわからず、将来にも希望が持てず、悶々とし、『大部分の時間を捨てて』生きている姿が思い浮かぶのです.
心の内では焦りや不安感で満ちているのに、周囲からは怠けていると怒られてしまうと、どうしたらよいか分からなくなりますよね。
「なんとなく学校に行きたくない」ときの対処法
「なんとなく学校に行きたくない」とき、どうしたらよいのでしょうか。
具体的な対処法としては、以下の方法がオススメです。
自分の気持ちを紙に書き出す方法は、アメリカの社会学者が考案した「エクスプレッシブ・ライティング」(筆記開示法)というストレス対処法です。
筆者も自分の考えを整理したいときによく行いますが、気持ちがとてもすっきりします。
さらに、「自分はこれから何をすべきか」ということが明確になるので、少しポジティブな気持ちになります。
自分の考えを紙に書き出して言葉にすることで、「なんとなく」に隠されていた本当の気持ちがわかり、漠然とした不安感から抜け出すことができます。
「学校に行きたくない」という気持ちを、そのまま親や教師に伝えてみることは有効な対処法です。
自分では「なんとなく」行きたくないと思っていても、日頃からあなたを見ている大人には別の理由が見えているかもしれません。
「学校に行きたくない、どうすればいい?」とアドバイスを求めるのもオススメです。
ただし、親や教師に相談すること自体が怖かったり、申し訳なかったりする場合があると思います。
その場合は(または親や教師への相談と並行して)、専門機関に相談するのがよいでしょう。
理由②「体調が悪い」
学校に行きたくない理由として、「体調が悪いので学校に行きたくない」が挙げられます。
あなたは以下のように悩んでいませんか?
- 朝起きると頭やお腹が痛くなったり、身体がだるかったり、吐き気がしたりするので学校を休みたい。
- しかし、体温計で熱をはかっても平熱なので、風邪を理由に学校を休むことができない。
「学校に行かなければいけない」という気持ちに身体がついてこないので、とてもつらいですよね。
それでは、学校に行こうとすると体調が悪くなるのはどうしてでしょうか?
結論から言うと、「学校に行きたくない」という精神的ストレスや心の葛藤を、身体の症状として表現しているからだと考えられます。
書籍『学校の先生・SCにも知ってほしい:不登校の子どもに何が必要か (子どものこころと体シリーズ)』によると、不登校と関連する身体の症状は大きく3つに分類されます。
①心の要因が関わらない身体疾患
肺炎や骨折などで入院や自宅療養になり、長期間学校を休むことになったあとで、「学校に行きたくない」気持ちになることがあります。
また、慢性の疾患で入院を繰り返すうちに登校が嫌になることもあります。
具体的には、以下のパターンが考えられます。
- 身体疾患になる前から学校生活にストレスを抱えていて、たまたま病気になって学校を休んだことをきっかけに頑張る気力が失せた
- 身体疾患のために学校を長期間、あるいは頻繁に休むようになった結果、学業の遅れや友人関係からの孤立などで、登校しにくくなった
- 深刻な怪我や治療が難しい身体疾患のために、制限された日常生活を送らざるをえなくなり、学校を含む生活全体の意欲がなくなった
②心身症
心身症とは、心理社会的な要因が関係して症状が良くなったり悪くなったりする身体疾患のことです。
具体的には、過敏性腸症候群、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などがあります。
学校生活において何らかのストレスが高じたために、心身症としての身体疾患が出現・悪化し、登校できない状況になることがあります。
③心の状態と関わる身体症状
医学的な検査で異常がないにも関わらず、腹痛、頭痛、倦怠感、吐き気などさまざまな身体症状が現れることがあります。
医師の診断では「異常なし」「精神的なもの」とされることが多く、そうすると周囲の大人は「気の持ちよう」「頑張れば何とかなる」「もしかすると仮病ではないか」ととらえます。
しかし、ほとんどの子どもは実際に、登校やする時間になると腹痛や頭痛を自覚しています。
具体的には、以下のような心の状態にともなって身体症状が現れます。
- 未来の出来事への不安(例:学校の発表会で失敗したらどうしよう?)
- 母親など愛着をもっている人から離れることの不安
- 元気がない、すぐに悲しくなる、意欲がわかないなどの抑うつ症状
- 身体表現性障害(医師から異常なしと診断されても納得できずに、繰り返し身体症状を訴えたり検査を求めたりする)
「体調が悪くて学校に行きたくない」ときの対処法
体調が悪くて学校に行きたくないとき、どうすればよいのでしょうか。
具体的な対処法として、早い段階で、専門的な診察や検査を行う医療機関を受診することがオススメです。
「体調が悪いので学校に行きたくない」と訴えたとき、周囲の大人は「精神的なもの」として解釈しがちです。
しかし、実際に症状として現れている頭痛や腹痛を我慢してやり過ごすと、さらに悪化することがあります。
「今感じている苦痛が、身体疾患によるものなのか、心の状態にともなう身体症状なのか」を医師に判断してもらうことで、適切な対応を取ることができます。
医師に「異常なし」と判断された場合は、身体の症状が出ていることは認めつつもあまり大きな関心を払わないようにします。
「体調と相談しながら、日常生活をどう工夫していくか」という点に注意を向けて過ごすようにしましょう。
理由③「人間関係が気まずい」
学校に行きたくない理由として、「人間関係が気まずいので学校に行きたくない」が挙げられます。
不登校児童生徒を対象にした調査では、最初に(学校に)行きづらいと感じ始めたきっかけで、人間関係が関係するケースは次のとおりです。(参考:文部科学省「令和2年度不登校児童生徒の実態調査 結果の概要」)
- 「友達のこと(嫌がらせやいじめがあった)」約25%
- 「友達のこと(嫌がらせやいじめ以外の理由)」約20%
- 「先生のこと(合わない、怖い、体罰があった)」約30%
このような調査から、友人や先生との関係がうまくいっていないことで、「学校にいきたくない」という気持ちになる人が多いことがわかります。
「人間関係が気まずくて学校に行きたくない」ときの対処法
人間関係がうまくいっていないため、学校に行きたくないときはどうすればよいのでしょうか?
具体的な対処法としては、以下の方法がオススメです。
友人関係がストレスになっている場合は、信頼できる教師に相談しましょう。
生徒同士で起きたトラブルは、ひとりで抱え込んでも解決することが難しいです。
秘密を守ってくれる大人に、クラス替えや席替えなどで配慮してもらうようお願いするのもよいでしょう。
教室に行くのがためらわれる場合は、「別室登校」をすることができます。
「別室登校」とは、登校したときに自分のクラスの教室に行くのではなく、別の部屋で活動することをいいます。
具体的には、保健室、図書館、カウンセリングルームを利用することが多いです。
筆者自身も、体調不良で学校を休みがちだった時に保健室に登校していました。
「教室に行きたくないけれど、学校の勉強をすすめたい」というときにとても有効な方法です。
もし「別室登校」をしたいと思ったら、担任の先生や保健室の先生などに事前に確認するようにしましょう。
学校以外に自分の居場所を作ることは、学校に行きたくないときの対処法になります。
書籍『学校の先生・SCにも知ってほしい:不登校の子どもに何が必要か (子どものこころと体シリーズ)』では、「こどもがどんな時に不登校になるのか?」という問いに以下のように答えています。
私が、これまでに出会った不登校の子どもたちの状況から考えると、一言でいうと『子どもが居場所を失ったときに起こる』と感じます。『居場所』とは、『自分はここで受け入れられている(好かれている、認められている、必要とされている)』『ここにいると安心する、ほっとする』と子どもが感じる場のことです。
この記事を読んでいるあなたにとって、もしかすると今の学校は安心できたりほっとしたりできる場所ではないのかもしれません。
学校以外に居場所が欲しいときは、以下のような場所を利用することができます。
- フリースクール
- 適応指導教室
- 習い事・塾
- 趣味の団体・地域のスポーツサークルなど
- (高校生なら)アルバイト
また、今の学校と違う学校に通うというのも手段のひとつです。
特に高校生なら「通信制高校」への転校は、人間関係をあまり気にしなくて済む選択肢です。
理由④「眠い」
学校に行きたくない理由として、「眠いので学校に行きたくない」が挙げられます。
朝起きて、とても眠いとき、「学校に行かずにそのまま寝ていたい・・・・・・」と思うことがありますよね。
少し二度寝する程度なら問題ありません。しかし、学校に行けなくなるほど強い眠気が続くようであれば、注意が必要です。
注意したほうがよい眠気は、以下のものです。
①ゲームのやりすぎによる眠気
スマートフォンでいつでもソーシャルゲームが遊べるほか、e-sportsで学生が活躍して話題になったり、プログラミングの授業で自らゲームを作ったりと、現代の学生がゲームに触れる機会はとても多いです。
自分の意志で遊ぶ時間を決めて、やめられるうちは問題ありません。
しかし、夜更かしが毎日続いたり、学業よりゲームに夢中になってしまったりと生活に支障をきたしている場合は、「ゲーム依存症」が疑われます。(参考:厚生労働省「ゲーム依存症の特徴と症状|e-Learningで学ぼう 依存症の基本」)
2019年、世界保健機関が「ゲーム障害」を国際疾病分類として認定したように、ゲームのやりすぎは世界中で深刻な問題になっています。
②「リベンジ夜更かし」(報復性夜ふかし)
「リベンジ夜更かし」(報復性夜ふかし)とは、「寝ることを先延ばしにする」先延ばし行為の1つです。(参考:weblio辞書「報復性夜ふかしとは? わかりやすく解説」)
具体的には、以下の行動が「リベンジ夜更かし」の典型的な行動だとされています。
- 寝る時間だとわかっていながら興味のないドラマを見続ける
- ぼーっとしながらSNSをひたすらスクロールする
これらの原因は、「日中有意義に過ごせなかった」という不満を解消するためだと考えられています。
③起立性調節障害(OD)
起立性調節障害(OD)とは、思春期前後の子どもに多くみられる、自律神経機能不全の一つです。
具体的な症状は、たちくらみ、失神、朝起きられない、倦怠感、頭痛などです。
「軽症例を含めると、小学生の約5%、中学生の約10%。重症は約1%。不登校の約3-4割にODを併存する」とあるように、起立性調節障害の子どもはけして少ない数ではありません。(参考:一般社団法人 小児心身医学会「(1)起立性調節障害(OD)」)
朝起きられないことに苦痛を感じていれば、調べてみるとよいでしょう。
「眠くて学校に行きたくない」ときの対処法
眠くて学校に行きたくないとき、どうしたらよいのでしょうか?
具体的には、以下の方法がオススメです。
使用時間を決めるといっても、完璧に自分の意志でやり遂げるのは難しいですよね。
そのため筆者は、スマートフォンの「スクリーンタイム」や「おやすみモード」などの設定で、夜中の使用を制限しています。
機種によって機能が異なるので、自分のスマートフォンの機能を積極的に活用するとよいと思います。
「自分が意味もなく夜ふかしをしているな」と思ったら、スマートフォンの電源を切って、明日やりたいことや達成したいことをじっくり考えてみるのがオススメです。
また、日中に太陽の光をたくさん浴びることで、体内のリズムを整えることができます。
理由⑤「授業がつまらない」
学校に行きたくない理由として、「授業がつまらないので学校に行きたくない」が挙げられます。
学校生活は大半が授業を受ける時間なので、「つまらない」と感じていると学校に行くのがつらいですよね。
「授業がつまらなくて学校に行きたくない」ときの対処法
授業がつまらなくて学校に行きたくないとき、どうしたらよいのでしょうか?
具体的には、以下の方法がオススメです。
書籍『メタ認知で〈学ぶ力〉を高める: 認知心理学が解き明かす効果的学習法』では、学習意欲を高める方法について以下のように述べられています。
・学習の成果は自分次第であると考えると学習意欲が高まる
・自分で選べるという感覚がやる気を高める
・多少苦手な科目も頻繁に接していると親しみが湧く
このように、あまり好きでない科目であっても、主体的に学習している(やらされているのではなく、自らやっている)実感があると、学習意欲がわくことが分かっています。
授業がつまらないな」と思ったら、自分でその分野を予習してみると、授業を聞くときに違った発見があるかもしれません。
教科書を開くのは少しハードルが高い······」という方は、動画サイトで解説動画を見て学習するのもオススメです。
学校での授業に興味を持てない時は、塾や家庭教師を利用するのがオススメです。
集団での授業は全員が一定の条件をクリアするように教えるので、自分の興味関心が満たされないことも多いです。
学習のプロと個別に学習することで、自分の得意分野を伸ばし、苦手分野を克服するような勉強をすることができます。
理由⑥「他にしたいことがある」
学校に行きたくない理由として、「他にしたいことがあるので学校に行きたくない」が挙げられます。
定時制や通信制を除き、学校は朝から夕方まで授業があるので、他に熱中したいことがある人にとっては窮屈に感じられることがあります。
「他にしたいことがあるので学校に行きたくない」ときの対処法
他にしたいことがあるので学校に行きたくないとき、どうしたらよいのでしょうか?
具体的には、以下の方法がオススメです。
まずは、両親と教師に相談するのがよいでしょう。
「学校に行くよりもやりたいことがある」と言ったときに、「勉強から逃げているのではないか」「学校でうまくいっていないのではないか」と周囲の大人が心配することがあります。
「学校に行きたくない」と思うほどにやりたいことがあるというのはとても素敵なことなので、積極的に自分の意見を伝えましょう。
「OOな理由で、これをどうしてもやりたい」という気持ちを真摯に伝えることで、活動を支援してもらったり、アドバイスをもらったりすることができます。
様々な人の意見を聞くと、自分にあった具体的な進路を選ぶのに役立ちます。
時間の自由な学校や、自分のやりたいことに強い学校に入学・転校するのも、選択肢のひとつです。
例えば、通信制高校の場合、一般的には全日制高校よりも自由に使える時間が多いです。
また、高等専修学校(中学卒業後に進学・転校できる学校)であれば、調理や服飾について学ぶことができます(参考:文部科学省「高等専修学校のことが知りたい」)
そのような観点で自分に合っている学校を探してみると、「今」やりたいことをできるようになると同時に、将来の進路選択にも繋がります。
自分のペースで学習を進めつつ、興味関心を突き詰めたい人には、選択肢になると思います。
「やりたいことをやる時間が十分に取れない」ために「学校に行きたくない」と考えている方は、「学校にいる間にできることはないだろうか?」と自分の時間を見直してみるのもオススメです。
学校から離れた場所で活躍するのも素敵ですが、学校生活の中でやりたいことを実現するというのは人生のほんの短い期間での特権でもあります。
また、部活動やクラブ活動で自分のやりたいことを提案するのもよいでしょう。
「いまの学校を辞めてはいけない(いまの学校に行かなくてはいけない)」とは言いません。
ですが、「辞めなくてはいけない(行っていたらやりたいことができない)」と思い込まずに様々な方法を探すことで、「学校」と「やりたいこと」を両立できれば、より楽しい生活になるかもしれません。
学校に行きたくなかった筆者の体験談
筆者が「学校に行きたくない」と思ったきっかけは、原因不明の体調不良でした。
登校するために電車に乗ろうとするとお腹が痛くなり、吐き気がするようになったのです。
最初はいっときの風邪だと思い、我慢して通っていたのですが、その症状が1か月続いてやっと「なにかおかしい」と思いました。
内科の病院の診察を受けても異常はありませんでした。
もやもやした気持ちで保健室の先生に相談したところ、カウンセラーとメンタルクリニックを紹介されました。
専門家の力を借りることで、ようやく自分にあった対応で学校に通えるようになりました。
しかし、今思うと、「もう少し早い段階で人に相談していればよかったな」と感じます。
学校に行けるようになったきっかけは、満員電車を避けるように、昼から登校することにしたことでした。
また、気分が向いたときには朝の早い時間に学校に行くようにしていました。
自分が「学校に行きたくない」理由の大部分が「電車や教室の人混みが苦手であるから」だと気づくことができたのが、とても重要だったと思います。
現在も、自分に負担をかけないように、騒がしい場所や人混みを避けるようにして生活しています。
「自分はなにが苦手なのか」を把握しておくことの大切さを実感しています。
学校に行きたくない気持ちを相談できる場所のリスト
学校に行きたくないときに、相談できる場所をいくつか載せています。
不安な気持ちを自分ひとりで抱え込まず、専門家に積極的に相談することが大切です。
①学校②公的機関③民間機関に分けて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
①学校
担任の先生
-
「学校に行きたくない」と思ったとき、担任の先生に相談することができます。
保健室の先生やスクールカウンセラーを紹介してもらったり、友人関係の悩みについて把握してもらうと、教室に登校しやすくなります。
スクールカウンセラー
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スクールカウンセラーとは、学校で働いている、心理の専門家のことを指します。
「学校に行きたくない」という相談以外にも、日頃の悩みごとをなんでも話すことができます。
②公的機関
子どものSNSの相談窓口
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文部科学省による子どものための相談窓口です。
通話料無料で、24時間電話相談ができます。こちらから相談することができます。
教育相談センター
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教育相談センターは、教育相談、進路相談、いじめなどに関する相談を子供本人や保護者、教職員等から受け付けている機関です。
全国の一覧はこちらです。
ひきこもり地域支援センター
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ひきこもり地域支援センターは、社会福祉士、精神保健福祉士、臨床心理士等の資格を有するひきこもり支援コーディネーターが、ひきこもりの状態にある方やその家族へ相談支援を行っている機関です。
全国の一覧はこちらです。
青少年センター
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青少年センターは、青少年の社会参画や自立に向けた支援、自主的な活動の場など青少年活動の拠点となる施設です。
「お住まいの都道府県名」と「青少年センター」でインターネット検索してみてください。
児童家庭支援センター
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児童家庭支援センターは、児童に関する家庭その他からの相談のうち、専門的な知識及び技術を必要とするものに応じ、必要な助言をする施設です。
全国の一覧はこちらです。
児童相談所
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児童相談所は、児童に関する様々な問題について、家庭や学校などからの相談に応じる施設です。
全国の一覧はこちらです。
③民間機関
フリースクール
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フリースクールとは、なんらかの理由で学校に行きたくなかったり、小中高生が学校以外で学んだり友達と過ごしたりできる居場所のことです。
NPO
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NPOとは、非営利で社会貢献活動を行っている団体のことです。
「学校に行きたくない」と思ったとき、無料で電話相談ができたり、直接話を聞いてもらえたりします。
学習塾、家庭教師
学習塾や家庭教師を利用することで、「学校に行きたくない」ときも学習をすすめることができます。私たちキズキでも、無料相談を受け付けています。
まとめ
以上、「学校に行きたくない」ときの理由と、理由別の対処法をご紹介しました。
いま「学校に行きたくない」と悩んでいるあなたも、必ず「次の一歩」に進めます。
そのためにも、不安な気持ちをひとりで抱え込まずに、ぜひ積極的にサポート団体を利用してください。
この記事が、「学校に行きたくない」と感じているあなたの助けになれば幸いです。
監修:安田祐輔
やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための「キズキビジネスカレッジ」も運営。
【新著紹介】
『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法』
(2022年9月、KADOKAWA)
Amazon
KADOKAWA公式
【略歴】
2011年 キズキ共育塾開塾(2023年7月現在10校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年7月現在4校)
【著書など(一部)】
『暗闇でも走る(講談社)』『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(翔泳社)』)
【メディア出演(一部)】
2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)
共同監修:半村進
はんむら・すすむ。1982年、茨城県生まれ。東京大学文学部卒。
小学校時代から転校を繰り返し、運動ができないこと、アトピー性皮膚炎、独特の体形などから、いじめの対象になったり、学校に行きづらくなっていたことも。大学に入学してようやく安心できるかと思ったが、病気やメンタルの不調もあり、5年半ほど引きこもり生活を送る。30歳で「初めてのアルバイト」としてキズキ共育塾の講師となり、英語・世界史・国語などを担当。現在はキズキの社員として、不登校・引きこもり・中退・発達障害・社会人などの学び直し・進路・生活改善などについて、総計1,000名以上からの相談を実施。