高校中退の理由は?中退後の心境・進路の調査、6つの選択肢、実例も

こんにちは。高校中退した方の学び直しを完全個別指導塾家庭教師で応援するキズキの岡田和哉です。

今、あなたは高校中退を考えているものの、迷いがあり決断できずに悩んでいるのではないでしょうか?また、高校中退について、次のような不安を抱えているかもしれません。

  • 他の人はどんな理由で高校中退したんだろう?
  • 高校中退した「その次の進路」には、どんな選択肢がある?
  • ネットやSNSで「高校中退=人生終了」って見たけど、これって本当?

筆者自身、高校になじめず不登校となり、最終的に高校中退した経験があります。

このコラムでは、高校中退の理由やその後の進路などを、文部科学省及び内閣府の調査、キズキでの実例、そして私の経験に基づいてお伝えします

このコラムが、高校中退を考えているあなたが、後悔しない進路を選ぶためのヒントになりましたら幸いです。

高校中退の理由

令和3年度の文部科学省の資料によると、高校中退の理由は次の通りとなっています(中途退学者1人につき、主たる理由を一つ選択)。

高校中退の理由

  • 学校生活・学業不適応:30.5%
  • 進路変更 別の高校への入学希望:25.2%
  • 進路変更 就職を希望:8.2%
  • 学業不振:6.6%
  • その他の理由:6.2%
  • 進路変更 その他:6.0%
  • 病気けが死亡:4.9%
  • 家庭の事情:3.8%
  • 進路変更 高卒程度認定試験受験を希望:3.3%
  • 問題行動等:2.5%
  • 進路変更 専修・各種学校への入学を希望:1.5%
  • 経済的理由:1.4%

(文部科学省:「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」)

高校中退の理由は、「学校生活・学業不適応」が30.5%、「進路変更 別の高校への入学希望」が25.2%、「進路変更 就職を希望」が8.2%となっています。

ただ、「進路変更」という大きい括りで見ると、合計で44.2%に上ります(「進路変更 別の高校への入学希望」「進路変更 就職を希望」「進路変更 高卒程度認定試験受験を希望」「進路変更 専修・各種学校への入学を希望」の合計値)

また、この調査では、1人あたり一つの理由しか選択できません。

しかし、高校中退の理由は、大きな理由が1つあったとして、その周りや背景にはいくつもの理由があることが考えられます

  • クラスの人間関係が上手くいかず不登校になり、勉強についていけなくなったことで高校を中退した
  • ケガや病気で長期間学校を休んだことでクラスに馴染めなくなり、高校中退や別の高校への転校を考え始めた

あなたは今、どのような状況で、どんな理由を抱えていますか?

ちなみに私の場合は、人間関係が上手くいかなくなったことで不登校になり、その後高校中退しました。やはり1人の高校中退でも、背景に複数の理由があるのです。

高校中退の人数

高校中退の理由についてお伝えしましたが、そもそも高校中退する人はどのくらいいるのでしょうか?

文部科学省の昭和57年以降の調査によると、高校中退の人数・率は、ともに増減を繰り返しながら全体として減少しています。

ですが、令和3年度(2021年度)には38,928人と、それでも「多く」の高校生が中退しています。(文部科学省:「令和3年度児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」)

2020年の国勢調査によると、千葉県匝瑳市(そうさし)の人口は、35,040人です。(総務省統計局:「令和2年国勢調査」)

1つの市の住民よりもたくさんの人が、1年の内に高校中退したのです。

「高校中退する人はほとんどいない。自分のことは誰からも理解されない。」と思っている人もいると思いますが、それはご自身の思い込みなのかもしれません。

あなたの周囲に高校中退を経験した人がいなくても、「高校中退から『次』に進むこと」を支援する団体などに相談することで、経験者(の事例)を知れるのです。

例えば私たちキズキ(個別指導塾・キズキ共育塾家庭教師・キズキ家学)にも、高校中退の経験者は、生徒さんのみならず講師にもたくさんいます。

そういう環境に行くと、高校中退は「よいこと」でも「悪いこと」でも「特別なこと」でもないと実感でき、不安や悩みが軽くなるはずです。

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高校中退のメリット・デメリット

高校中退を検討している時に知りたいことといえば、高校中退のメリットとデメリットではないでしょうか。

メリットとデメリットの両方を知っていると、高校中退について客観的な視点から検討できます。まずは、高校中退のメリットです。

高校中退の3つのメリット

  • 今の環境を変えられる
  • 自由に使える時間が増えるため色々な経験ができる
  • 新しいことをするのが怖くなくなる

高校中退と聞くと、ネガティブなイメージを持つ人が多いでしょう。

しかし、高校中退のメリットとして、今通う高校が自分に合わないのであれば、高校中退して環境を変えることが「次の一歩」に繋がることがあるのです。

また、高校中退後は、これまでのように決まった時間に学校に行って授業を受ける必要はありません。

その時間で、自分の行動次第でやりたいこと挑戦したり、新たな経験を積んだりすることができます。

気持ちの面にも変化がある場合もあるでしょう。

新しいことに挑戦するとなると、恐怖や不安を感じやすいですが、高校中退を経験をすることで「やる前は不安だったけど、やってみたら怖くなかった」と気づけるはずです。

そして、今後の人生においても、積極的に新しいことに挑戦できるようになっていくでしょう。

高校中退の2つのデメリット(注意点・リスク)

  • 大学進学のルートが複雑になる
  • 就職をする際の選択肢や給料が少ない

高校中退のデメリットは、高卒資格を取得できないため、最終学歴は「中学卒業」になることです。

そのため、大学や専門学校などへの進学を目指す場合、受験の勉強の前に、「別の高校に編入して卒業」または「高卒認定の取得」が必要になります

つまり、高校を卒業して大学への進学を目指すよりも、1つ多いステップを踏む必要があるのです。

また、中卒での正規雇用の募集はあまり多くありません。正規雇用での就職が難しくなったり、低い給料で働くことになったりすることも考えられます

「中卒が悪い」「正規雇用がよい」わけではありませんが、「不本意に、非正規雇用で働く」状況になるかもしれないことは、知っておいてください。

高校中退後の6つの選択肢

高校中退後の選択肢を知りたい方は、多いのではないでしょうか?

ここでは、高校中退後の6つの選択肢を簡単にご紹介します。

全日制高校

  • いわゆる「普通の高校」
  • 転校(転入・編入)の場合は選択肢が少ない

定時制高校

  • 全日制高校よりも遅い時間帯で授業を行う高校
  • 夜間だけでなく、朝や昼から授業が始まる学校もある
  • 単位制、学年制の2種類があり、学年制の場合卒業に4年かかる学校が多い
  • 進級・卒業のためには通学が必要

通信制高校

  • 学校に通う日数が少なく、自宅で教材を利用して自習で勉強を進めることが多い高校
  • 進級・卒業のための通学が少なくて済む
  • 高校中退後の進学先として1番選択されている

専門学校

  • 入学には高卒認定や高校卒業が必要な場合が多い
  • 授業は、実習・実技が多く、仕事に直結する知識やスキル、資格を取得できる

高卒認定

  • 合格すると、「高卒」の資格が必要な、大学や専門学校の受験が可能になる
  • 基本4択問題で、100点満点中40点取れれば合格と言われているため、比較的取得が容易

就職・アルバイト

  • 求人の選択肢が「高卒」などと比べると減ることがある
  • 高卒認定などを取得することで選択肢を広げるのもオススメ

高校中退後の選択肢を、より詳しく知りたい方は、コラム「高校中退しても再入学・卒業できます〜通信制・定時制がオススメ、高認もアリ〜」をご覧ください。(キズキ共育塾のウェブサイトが開きます)

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高校中退した人の「その後」の調査

続いて、高校中退した人の「その後」に関する調査結果を3つ紹介します。

高校中退後に、「高校中退に対してどう思っているのか」「どんな進路を選んでいるのか」などが分かりますので、高校中退を検討する際のヒントにしてください。

高校中退した人の心境・思いに関する調査

高校中退した人の心境・思いに関する調査

平成21年の、内閣府の「高校生活及び中学校生活に関するアンケート調査」では、高校中退について「やめてよかった」「まあ、やめてよかった」と回答した人の合計は57.5%と、過半数を超えています。

つまり、自身の高校中退を肯定的に捉える人が多数派なのです。

特に、「現在(調査当時)別の学校に在籍している人」では、「やめてよかった」と回答した割合が75.8%とかなり高くなっています。

あなたが今の高校になじめなかったり、通えなくなっていたりするなら、「高校中退して他の高校に転校する」ことを検討してみるのもよいかもしれません。

ただし、「高校中退後の進路決定時に苦労してきたこと」に対する回答は、「その他(20.2%)」を除くと「適切な情報を得る方法がわからない」が19.2%で最も多いです。

また、「受け入れてくれそうな学校がわからない」という回答も、11.1%ありました。

そのため、転校するにしても他のことをするにしても、高校中退を検討する際は、事前に誰かに相談したり情報を集めたりして、高校中退後の進路を明確化しておくことが大切なのです。

高校中退後の選択肢は、コラム「高校中退、その後の気持ちと主な選択肢6つ」に詳しくまとめているのでよければ参考にしてみてください。(キズキ共育塾のウェブサイトが開きます)

高校中退した人の進路に関する調査

先ほど紹介した平成23年内閣府資料によると、高校中退から概ね2年以内の人が「現在(調査当時)していること」は、次のとおりです(複数回答)。

  • 働いている:56.2%
  • 在学中:30.8%
  • 仕事を探している:13.6%
  • 家事・家事手伝いをしている:11.0%
  • 妊娠中・育児をしている:5.4%
  • 特に何もしていない:4.0%
  • その他:7.0%

過半数が働いており、次に在学中の人が約30%、何もしていない人は4%です。

「高校中退したら人生終了…?」「高校中退後は社会的に何もできないのではないのかも…」などの不安もよく耳にしますが、その不安は取り越し苦労なのかもしれません。

また、在学中の人が所属する学校の内訳は、次のようになっており、高校中退後も様々な学校に通えることがわかります。

  • 通信制の高校:49.7%
  • 全日・定時制の高校:33.1%
  • 大学:10.8%
  • 専門学校:5.8%

ただし、同調査での、「高校を辞めた時点での将来の見通し」と「現在していること」の関係は、次の通りです。

  • 別の高校に入学する予定だった人(全体の23.6%)のうち、実際に高校在学中の人は68.0%
  • 正社員として働くつもりだった人(全体の11.1%)のうち、実際に正社員として働いている人は42.1%

このように、自分の希望どおりにはなっていない人もいるのです。

また、「高校中退後、高卒の資格は必要だと考えたか」という質問に対しては、78.4%が「はい」と答えています。

これらの内容をまとめると、次のように考えられます。

  • 高校中退(高卒資格がないこと)による苦労はあるが、高校中退をしてよかった人が多い
  • 必ずしも希望どおりに生きられるわけではないが、高校中退が理由で未来が閉ざされるわけではない

このうち、「高卒資格」はいつからでも取得できます。

また、編入先や転校先としては、全日制高校だけでなく、通信制高校や定時制高校などの選択肢もあります。

さらに、通信制高校や定時制高校であれば、就職後に働きながら通えるのです

「希望どおりに生きられるとは限らない」のは、高校中退かどうかに関わらず、(残念ながら)ある程度全ての人に当てはまるのではないでしょうか。

つまり、繰り返しにはなりますが、「高校中退自体は、特別なこと・悪いことではない」のです。

高校中退した人の考え方・価値観に関する調査

内閣府の調査によると、「自分にとって大切なことは、どんなことだと思いますか」という質問に対する高校中退した人の答えは、次のとおりです(複数回答)。

  • 人とうまくつきあうこと:62.4%
  • 自分で働いて収入を得ようとすること:59.6%
  • 身のまわりのことを自分ですること:55%
  • 自分に自信を持つこと:54.1%
  • 自分の気持ちや意思を
    はっきり表現すること:45%
  • 生活のリズムをつくること:43.1%
  • 将来の希望を持つこと:43.1%
  • 身体を健康にすること:42.2%
  • いつまでもくよくよ悩まないこと:41.3%
  • かっとしたり、いらいらしないこと:31.2%
  • 家族との良い関係を持つこと:29.4%
  • 心の病を治すこと:21.1%
  • 孤独に耐えられること:19.3%
  • その他:9.2%
  • 特にない:5.5%
  • 無回答:0.9%

私もこの調査結果と同じようなことを思っていたので、とても共感しました。

特に「人づきあい」や「気持ちを表現すること」には、苦手意識がありました。

働こうと思ったときも、高校中退の理由を面接でどう伝えたらよいかと、悩んでいました。

苦手意識の解消のため、最近の私は他人に興味を持つように心掛けています。

興味を持つと、会話のきっかけが見つかったり、その人と自分の意外な共通点に気づけたりもします。

日記・SNS・ブログなどで気持ちを表現する練習をするのも、よく聞く方法です。

また、先ほどの話にもつながりますが、最近はアルバイトの面接でも、高校中退の理由なども含めてなるべく正直に話しています。

勇気がいるのですが、正直に話した上で採用してくれた職場の方が、働きやすくて楽しめると思っています。

【実例】高校中退を経験したキズキ共育塾の生徒・A君

キズキ共育塾・A君の事例

以前キズキ共育塾に通っていたA君の事例をご紹介します。

A君は高校受験で第一志望の公立高校に合格せず、「仕方なく」別の私立高校に進学しました。しかし、そんな気持ちで入った高校では同級生に馴染むこともできず、一年生の秋には高校中退することを考えるようになっていました。

このときの心境について、A君は「やっぱり、自分の行きたかった高校へのコンプレックスが大きかった」と言っていました。

その一方で「だからと言って『次』のことを何も考えずに高校中退しても仕方ない」とも考えていたそうです。

「通っている高校には愛着はなく、かといって行きたかった高校にいまから行くこともできない…」という状況でA君が気づいたのは、「自分のコンプレックスは、高校の知名度に対するもの」ということでした。

第一志望の高校はとても有名で、通っている高校はほとんど名前が知られていない学校だったのです。

いわゆる「学歴コンプレックス」です。

そしてA君は、「この学歴コンプレックスを解決するためには、高校のことは忘れて、有名大学に行けばいいんだ」と考えるようになりました。

A君は、「大学受験に真剣に取り組む」ことを明確な目標に据えて、大学受験に熱心ではない今の高校を中退し、比較的時間が自由で学習スケジュールを立てやすい単位制高校へ編入しました。

そんなA君がキズキ共育塾にやってきたのは、単位制高校に編入して3か月ほど経ったタイミングでした。

独学での受験勉強に限界を感じたのが理由です。

キズキ共育塾は、「がむしゃらに偏差値を上げる」「とりあえず有名な大学を目指させる」などの方針は取っていません。

ですが、面談や授業でA君と話すにつれて、「A君が自分に自信をつけ、自分の力で生きていくためには、学歴コンプレックスの解消が必要だな」とお互いに話し合った上で、A君の希望どおり、「有名な」大学に向けた受験勉強を始めました。

A君は、まず文系・理系のどちらでも必要になる英語の学習から始めました。

その後、理系に進むために数学と物理の受講をはじめ、無事に「有名な」私立大学の理学部に合格してキズキ共育塾を卒業していきました。

A君は、最後の授業で「やっぱり高校中退してよかった、と思う」と言っていました。

理由を訊くと、「これで学歴コンプレックスが解消されるから…でも、それよりも、いまの自分の状況はよく考えて選んだことで、『自分の道』なんだって、思えるからです」と答えてくれました。

もちろん、A君の事例はA君のものでしかなく、高校中退すれば全ての人がこのように前向きに自分の人生を歩めるわけではありません。

それでも、A君は自分自身についてよく考え、選んだ選択肢に納得していました。

高校中退を考えているあなたにも、ぜひA君のように高校中退の「次」を考えていただきたいです。

キズキは「個別指導塾」「家庭教師」ですので、知っている事例は「勉強」や「受験」(、そして「学歴」)に関するものが多くなります。

他の場所でも、例えば「専門学校で手に職をつける」「働いて自立する」「結婚して家庭を築く」など、それぞれの場所で高校中退を経験した人達が「A君」のように「高校中退の次」を見つけているのだと思います。

なお、A君の事例に関して、「学歴コンプレックスなんてバカバカしい」とか、「有名な大学に進学する動機が不純だ」とか、そう思う方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、悩みもその解決法も、人によって様々であることはご理解いただきたいと思います。

高校中退を検討中のあなた(高校中退したあなた)に寄り添い、サポートする塾&家庭教師【キズキ】/「次の一歩」に進めます/相談無料/関東・東海・関西(オンライン授業は全国対応)

就活・進学の際に使える高校中退の理由の伝え方

高校中退するか悩んでいる人や高校中退して次の進路を考えている人は、「進学や就職活動の際に、高校中退の経歴が不利になるかも…」という不安を抱えているかもしれません。

実際、高校中退の場合、最終学歴は中学卒業になるため、高卒・大卒と比べると選択肢が狭まります。

しかし、高校中退したから就職できない、進学できないことはないので、ご安心ください

まず大前提として、就活や進学の際に提出する履歴書には、「高校中退」の経歴を必ず書く必要があります。

ただし、面接などで高校中退について聞かれることがなければ、高校中退の理由を自ら説明する必要はありません

つまり、そもそも高校中退の経歴やその理由を、過剰に気にする必要はないのです。

ただし、面接などで高校中退した理由を聞かれることはあるでしょう。

そんなときは、ごまかそうとしたり嘘をついたりしたりせずに、誠実に理由を伝えれば印象が悪くなることは避けられます。

また、進学や就職の際に不利にならないためには、プラスの評価につながる高校中退の理由を考えることが大切です

たとえば、「自分がやりたいことが見つかりそのことに打ち込むため」「ほかに勉強したいことができたから」などの理由であれば、ネガティブな印象を持たれづらくなります。

ネットで高校中退の理由に関する例文を探したり、就活であれば就職エージェントを活用したりすると、よりよい高校中退の理由が見つかりやすくなるはずです。

ただし、全く嘘の理由を伝えると、嘘であることを知られたときのリスクが大きいので、ある程度自分の経験や考えに沿った内容を考えましょう。

高校中退した子を持つ親ができる3つのサポート

このコラムを読んでいる方の中には、お子さんの高校中退(高校中退したい様子)を心配している親御さんもいらっしゃると思います。

先述した通り、高校中退後に苦労する人は一定数います。しかし、そんなときに親御さんのサポートがあれば、その苦労を乗り越えやすくなるはずです

親御さんができる高校中退したお子さんへのサポートとして、次のことが考えられます。

  • ①子どもの思いや考えに耳を傾ける
  • ②高校中退の「次の一歩」を親子で話し合う
  • ③高校中退後の進路や就職について詳しい人に相談することを提案する

まず何より大切なのが、お子さんの声に耳を傾けることです。

親御さんには、「高校中退してほしくない」「このまま学校に通い続けてほしい」などの思いがあるでしょう。

しかし、高校中退を考えているお子さんには、それ相応の悩みや思いがあります。

お子さんが高校中退を選択することを、はじめは受け入れられないかもしれませんが、お子さんの声に耳を傾けましょう。

親御さんに話を聞いてもらえるだけでも、お子さんは安心感を得られます。

お子さんが高校中退を決意していたり、すでに高校中退した場合は「次の一歩」を親子で話し合いましょう。

進学するにしても就職するにしても、まだまだお子さんには親御さんのサポートが必要です

過干渉はよくありませんが、お子さんの希望や思いを聞いた上で、親御さんの考えを1つの意見としてお子さんに伝えるとよいでしょう。

また、お子さんが自身の考えを整理するためにも、たくさん話を聞いてください。

ただし、お子さんと親御さんだけで高校中退やその後のことを考えるのは、難しいことも多いです。

また、親子で話し合っていると、意見が対立したり、冷静に話せなかったりすることもあるでしょう。

そんな時は、高校中退後の進路や就職について詳しい人に相談することを、お子さんに提案してみてください。

専門家に相談すると、より具体的で的確なアドバイスをもらえます

また、専門家に相談することで、お子さんや親御さんの悩みが解消されやすくなることはもちろん、お子さんが納得できる「次の一歩」を見つけられるきっかけになることもあります(私たちキズキでも、無料相談を行っています)。

高校中退の「次」を考えましょう

これまでお伝えしてきた調査や事例から、高校中退の理由、その後の状況や進路は、人それぞれだと分かります。

つまり、「高校中退は人生の一要素であって、人生全体は高校中退に関わらずその人次第」なのです。

繰り返しお伝えする通り、高校中退それ自体は「よいこと」でも「悪いこと」でも「特別なこと」でもありません

しかし、あなたが高校中退を検討しているのなら、慎重に決断してください

決断次第で、高校中退が「悪いこと」になる可能性があるからです。

さきほどもお伝えした通り、結果的に「高校中退してよかった」と思う人は多いです。また、高校中退から2年後に何もしていない人はわずかと言えます。

しかし、高校中退を後悔している人ももちろんいます。高校中退から2年後に何もしていない人も一定数いるのです。

まさに、かつての私がそうでした。高校中退を後悔し、高校中退から2年経っても何もしていなかったのです。

現在の私は楽しく生活していますが、ここに至るまでにはたくさん悩み、苦しみました。

私の場合は、不登校で出席日数が足りなくなり進級できなくなったため、その後のことをあまり考えずに高校中退の選択をしました。そして、その後長い間、引きこもりになりました。

「高校中退後に何をするか」をもっと前向きに考えてから高校中退していれば、その後の状況は違っていたのかもしれない、と今は思っています。

高校中退の「次」をどうしようか悩んでいたり、もしすでに「次」のことを考えずに高校中退して苦しんでいるのなら、キズキ(個別指導塾・キズキ共育塾家庭教師・キズキ家学)にお気軽にご相談いただければと思います。

かつての私のような「苦しみ」の中にある人が1人でも減ってほしいと思い、このコラムを執筆しています。

高校中退を検討中のあなた(高校中退したあなた)に寄り添い、サポートする塾&家庭教師【キズキ】/「次の一歩」に進めます/相談無料/関東・東海・関西(オンライン授業は全国対応)

まとめ:高校中退の理由は人それぞれです

まとめ:まとめ:高校中退の理由は人それぞれです

あなたが高校中退を選択し、将来そのことを理由に何か不利益があったとしても、自分を責めないでください

自分を責めても苦しみが深まるだけですし、責めたところで過去は変わりません。

自分自身の「将来」や「次」のことを考えた方が、楽しく前向きに生きられます。

また、世間には、高校中退するかしないか悩む人に「根性で何とかしろ」と言ったり、高校中退で不利益な状況になった人に「遊んでいた奴が悪い」と言ったりする人もいます。

しかし、高校中退を検討する人や経験した人が「精神的に弱い」「サボっている」などのような決め付けに根拠は一切ありません。

キズキ(個別指導塾・キズキ共育塾家庭教師・キズキ家学)にも、たまたま環境や相性が合わなかったために高校中退した人は大勢います。

彼らは、決して「ダメな人間」ではありません。

そうした偏見がなくなればいいな、「何度でもやり直せる社会」をつくりたいなと思ったことも、このコラムの執筆した理由です。

そして、あなたが現代社会に生きづらさを感じているのであれば、「社会が悪い」と言ってもいいんじゃないでしょうか。

「社会のせいにしてはいけない」という言葉をよく耳にします。しかし、「社会が悪い」ことだってあるのです。

これは、「他人のせいにする」という意味ではありません。

社会は、あなたや私も含めて、いろいろな人の集合でできています。

つまり、「社会が悪い」なら、その一員であるあなたや私が、社会を変えられるはずなのです。

私たちキズキは、「何度でもやり直せる社会をつくる」ことを理念に掲げています。

高校中退や不登校で後悔なんてしなくていい社会をつくっていきたいと思っています。

あなたもぜひ、自分の信じた道に自信を持って進んでいってほしいです。

とは言え、高校中退の「次」を自分だけで考え込んでも、答えが出ないかもしれません。

お悩みは、あなただけで抱え込まないでください。お気軽にキズキ(個別指導塾・キズキ共育塾家庭教師・キズキ家学)にご相談いただければと思います。多くの高校中退経験者と接してきた私たちが、心からお話しいたします。

※紹介した生徒さんの事例は、記事の趣旨を損なわない範囲で、個人の特定ができないように一部事実を変更しています。
※文中の写真は、全てイメージです。

安田祐輔

監修:安田祐輔

やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための「キズキビジネスカレッジ」も運営。

【新著紹介】

『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法』
(2022年9月、KADOKAWA)
Amazon
KADOKAWA公式

【略歴】

2011年 キズキ共育塾開塾(2023年7月現在10校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年7月現在4校)

【メディア出演(一部)】

2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)

半村進

共同監修:半村進

はんむら・すすむ。1982年、茨城県生まれ。東京大学文学部卒。
小学校時代から転校を繰り返し、運動ができないこと、アトピー性皮膚炎、独特の体形などから、いじめの対象になったり、学校に行きづらくなっていたことも。大学に入学してようやく安心できるかと思ったが、病気やメンタルの不調もあり、5年半ほど引きこもり生活を送る。30歳で「初めてのアルバイト」としてキズキ共育塾の講師となり、英語・世界史・国語などを担当。現在はキズキの社員として、不登校・引きこもり・中退・発達障害・社会人などの学び直し・進路・生活改善などについて、総計1,000名以上からの相談を実施。

【執筆記事・インタビューなど(一部)】

日本経済新聞 / 朝日新聞EduA / テレビ東京 / 不登校新聞 / 通信制高校ナビ

サイト運営:キズキ

「もう一度学び直したい方」の勉強とメンタルを完全個別指導でサポートする家庭教師学習塾。多様な生徒さんに対応(不登校・中退・引きこもりの当事者・経験者、通信制高校生・定時制高校生、勉強にブランクがある方、発達特性がある方など)。授業内容は、小学生レベルから難関大学受験レベルまで、希望や学力などに応じて柔軟に設定可能。2023年7月現在、学習塾は全国に10校とオンライン校(全国対応)があり、家庭教師は関東・関西で対応。

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