不登校の小学生の勉強方法5選|自宅学習ができる教材・体験談も紹介
子どもの気持ちを知り、家庭教師などを上手に活用すれば、不登校であっても十分に勉強できます。
ですが、たしかに不登校の小学生は勉強が遅れがちです。
また、学校復帰をしたときや中学校に進学したときのことも考えて、「少しでも勉強してもらいたい」と思う親御さんも多いでしょう。
私たちキズキでも、「不登校の小学生の勉強はどのようにしたらいいでしょうか?」といったご相談をよくお受けします。
このコラムでわかること
- 不登校の小学生が勉強しない理由
- 不登校の小学生におすすめの勉強方法
- 不登校の小学生におすすめの自宅学習教材
- 不登校の小学生の勉強に関する体験談
私たち、キズキは、不登校のお子さんを、13年間で3,000名以上サポートしてまいりました。不登校に関する無料相談を行っており、親御さん自身のお悩みもご相談いただけます。少しでも気になるようでしたら、お気軽にご連絡ください。
目次
不登校の小学生が勉強しない3つの理由
不登校の小学生が勉強しない理由は、子どもによって様々です。
ここからは、不登校の小学生が勉強しない理由と対策を解説します。
ただし、不登校で勉強しないお子さんへの対策は、親御さんだけで考えたり実践したりする必要はありません。
不登校のサポート団体などに相談したり、頼ったりすることが大切です。
勉強以外のことも含めて、小学生の不登校の相談先は、コラム「小学生の不登校の原因と7つの対応|最新データ・次の一歩へのステップも紹介」をご覧ください
理由①勉強しなければならない理由がない
学校に通っていると「宿題がある」「先生に叱られる」「勉強できないと友だちに笑われる」など、勉強しなければならない理由があります。
ところが、不登校の間はそのような理由がなくなるため、「勉強しないといけない」という気持ちを持ちづらいのです。
もちろん、「義務教育で学ぶ内容」は周りの反応とは関係なく身につけておくべきことですが、小学生のお子さんにはそれがわからないことは珍しくありません。
そのため、お子さんと「勉強する理由」を一緒に考えることが大切です。
理由②勉強以外の楽しいことをしたい
前項とも関連しますが、小学生の子どもが「勉強する意味」を理解していないことはよくあります。
不登校の子もそうではない子も、まだ「子ども」である小学生が自ら勉強しようと思わなくても、責められるものではないでしょう。
そして、不登校で時間がある子どもは、つい勉強以外の楽しいことばかりをしがちです。
そのため、不登校の小学生が勉強するためには、親がある程度のサポートや声かけを行う必要があります。
声かけ・サポートの例
- 「算数をしたら、ゲームをしてもいいよ」
- 「テレビを見た後は、お母さんと一緒に宿題をやろう」
理由③勉強するエネルギーがわかない
不登校になる子どもは、学校で傷つき心身ともに疲れていることもよくあります。(前項のように、好きなことならできる小学生もいれば、好きなことですらできないほど疲れ切っている小学生もいます。)
心も体も傷つき疲れきっている子どもは、勉強しようにもエネルギーがわきません。
そんな状態から勉強に取り組めるようになるためには、まずはお子さんを十分に休ませることが大切です。
お子さんが家で休んだり好きなことをしたりする様子を見守りつつ、お子さんがリラックスして過ごせるよう家庭の居心地をよくしましょう。
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詳しく見る不登校の小学生が勉強方法5選
不登校の小学生が勉強するための方法を5つ紹介します。
中には、「当たり前じゃないか」と思われる方法もあるかもしれませんが、「不登校」に目が行き過ぎると当たり前の方法を見落とすこともあります。
リラックスしてお読みください。
方法①家庭教師を利用する
不登校の小学生の勉強方法で、一番オススメなのが家庭教師です。
不登校の小学生は、「(定期的な)外出が苦手」「自分で勉強するのが苦手」などの思いを抱えがちです。
家庭教師であれば、自宅で勉強を1対1で教えてもらえます。
不登校の小学生(と親御さん)にとっての、家庭教師のメリットは次の通りです。
家庭教師のメリット
- 先生が家に来るので外出が必要ない
- 同級生やたくさんの先生に会わずにすむ
- お子さんに合わせた勉強法・カリキュラムで学べる
- 親が先生と直接相談したり、勉強の様子を見たりすることができる
また、特に不登校に対応している家庭教師には、次のようなメリットもあります(私たちキズキもその一つです)
不登校対応の家庭教師のメリット
- 平日の朝から昼の時間帯に授業を受けられる
- 勉強以外にも雑談やゲームなどでコミュニケーションの練習ができる
- 外出の練習ができる
- メンタル面悩み相談ができる
方法②学習塾に通う
学習塾で勉強するのも1つの方法です。
お子さんが(定期的な)外出に抵抗がないければ、家の近くの塾(お子さんが一人で行き来できそうな塾)や、親御さんが送り迎えできそうな塾を探してみましょう。
また、塾の中でも、一対一の完全個別指導がオススメです。
完全個別指導がオススメの理由
- お子さんに合った方法で勉強できる
- 複数人で勉強する集団クラスが苦手な場合でも大丈夫
- 周りの視線を気にせず勉強できる
- 同じ学校の人と顔を合わせる可能性が低くなる
また、「不登校の小学生向けのコース」がある学習塾の完全個別指導なら、学校の代わりに平日の朝から昼の時間帯に通えることもありますし、授業の中で悩み相談ができることもあります。(例:キズキ共育塾)
ただし、学校の外でなら同級生と会えるお子さんや、学校の外で同い年の人たちと交流したいお子さんは、集団クラスが合っている可能性もあります。
そのため、お子さんの希望を聞いたり、塾の見学・面談などを利用したりしたうえで、どんな塾に通うかを検討しましょう。
方法③フリースクール・適応指導教室に通う
不登校の小学生が学校の代わりに通える(勉強できる)場所として、「フリースクール」と「適応指導教室」もあります。
フリースクール
- 主に不登校の子どもが学校の代わりに通う民間の教育機関
- 民間の施設なので学費がかかる
- 勉強以外にレクレーション・料理・ハイキングなどがあることが多い
- 勉強にどれだけ力を入れているかはスクールによって異なる
フリースクールは、インターネット検索で見つかると思います。
また、お子さんに合いそうかどうかは、資料請求・相談・見学などで確認しましょう。
フリースクールについては、コラム「フリースクールとは?不登校の子が利用するメリット・費用・種類」で、さらに詳しく解説しています
適応指導教室
- 教育委員会が運営する「学校復帰」を目的とした教育機関
- 公立の施設なので無料で利用できることが多い
- 勉強のほかに生活指導・メンタルケアなども受けられる
- 市区町村によって名称が異なることもある(教育支援センターなど)
- 「学校復帰」が目的なので合わない子どももいる
適応指導教室の利用は、お子さんが在籍する小学校に相談しましょう。
方法④自宅学習用の教材で勉強する
動画授業などの自宅学習用の教材を使って勉強するのも一つの方法です。
自宅学習用の教材の一般的な費用としては、学習塾や家庭教師よりも安い場合が多いです。
近年では、タブレットやパソコンを使用した動画授業や通信教材など、様々な自宅学習用の教材があります。
小学生向け学習教材の例
方法⑤親が教える
小学生レベルの勉強でしたら、親御さんが教えられることもあるでしょう。
「お父さん・お母さんと勉強しよう」と言えば、お子さんも机に向かいやすくなる場合もあります。
勉強を教えることを通じて、親子のコミュニケーションを増やせるのも大きなメリットです。
日ごろ仕事で忙しいお父さん・お母さんと一緒に机に向かうことで、「子どもと心の交流ができた」という声もよく耳にします。
ただし、親御さんは小学生の勉強内容を理解していても、「小学生への教え方」がわからない場合もあるでしょう。
また、親御さんにどうしても時間ができなかったり、お子さんが反抗的だったりすることもあると思います。
「親が教える」方法は、お子さんの様子や親御さんの状況などを踏まえて、可能であれば実践してみてください。
不登校の小学生の勉強についての体験談
体験談①親子で勉強しつつ週1で家庭教師を利用
娘は小3から小学校を休みがちになり、4年生の途中から不登校になりました。
最初は友だちに迎えに来てもらって何とか登校させようとしたのですが、「どうしても嫌だ」と泣く娘を見て無理に登校させることをやめました。
それからは、家で私(母親)と一緒に料理や買い物をして過ごしています。
勉強は、家事の合間に「じゃあ、30分だけ一緒に国語をしようか」といった感じで、私や夫が意識的に勉強時間をつくって、親子で勉強しています。
その上で、キズキ家学の家庭教師の先生に、夫婦で苦手な算数と理科を週1で教えてもらっています。
体験談②家庭教師との会話がコミュニケーションの練習に
小学校6年生の息子が、1年以上不登校です。
息子が「中学校は、小学校の同級生がいないところに進学して、登校もしたい」と言い出したので、私立中学受験を視野に入れて、家庭教師の利用を始めました。
キズキ家学の大学生の家庭教師がお兄さんのように接してくれて、相性もいいと思います。
勉強以外にも、ゲームやおしゃべりをして、コミュニケーションの練習にもなっています
もともと、同級生より大人と話す方が楽しいという大人びた息子だったので、家庭教師をつけてよかったと思っています。
体験談③家庭教師の先生と話すことで心が落ち着いた
娘は内気で小学校に馴染めず、5年生のときに友だちグループから仲間外れにされたのをきっかけに不登校になりました。
大好きな祖母の死も重なって、繊細な娘はとても傷ついたみたいでした。
理由もなく腹痛を訴えたり、癇癪を起こして妹の物を壊したりと、勉強するような状況ではなかったのですが、担任の先生に勧められて、家庭教師をお願いすることにしました。
キズキ家学の家庭教師の先生とお話しするうちに、心も落ち着き出したようで、勉強も少しずつできるようになってきました。
先生に教わったことを夕食のときに嬉しそうに話してくれるのを見て、安心しています。
まとめ:不登校の小学生の勉強方法はたくさんあります
特に、不登校に対応した家庭教師や塾などに相談することで、お子さんとご家庭にあった勉強方法が見つかりやすくなります。
小学生で不登校であっても、必ず「次のステップ」に進むことができます。
まずは不登校であことを必要以上に悲観的に考えず、そしてお子さんのことを親だけ(ご家庭だけ)で抱え込まず、ぜひいろいろな人に相談してみてください。
この記事が、お子さんと、親であるあなたのお役に立ったなら幸いです。
さて、私たち、キズキは、不登校や学校が苦手なお子さんのための塾&家庭教師です。
13年間で3,000名以上のお子さん・親御さんをサポートしてまいりました。
不登校のお子さんの勉強・生活・コミュニケーションなどの無料相談を行っており、親御さん自身のお悩みもご相談いただけます。
少しでも気になる方は、お気軽にご連絡ください。
監修:安田祐輔
やすだ・ゆうすけ。発達障害(ASD/ADHD)によるいじめ、転校、一家離散などを経て、不登校・偏差値30から学び直して20歳で国際基督教大学(ICU)入学。卒業後は新卒で総合商社へ入社するも、発達障害の特性も関連して、うつ病になり退職。その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。経歴や年齢を問わず、「もう一度勉強したい人」のために、完全個別指導を行う。また、不登校の子どものための家庭教師「キズキ家学」、発達障害やうつ病の方々のための「キズキビジネスカレッジ」も運営。
【新著紹介】
『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法』
(2022年9月、KADOKAWA)
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KADOKAWA公式
【略歴】
2011年 キズキ共育塾開塾(2023年7月現在10校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年7月現在4校)
【著書など(一部)】
『暗闇でも走る(講談社)』『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(翔泳社)』)
【メディア出演(一部)】
2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)
共同監修:半村進
はんむら・すすむ。1982年、茨城県生まれ。東京大学文学部卒。
小学校時代から転校を繰り返し、運動ができないこと、アトピー性皮膚炎、独特の体形などから、いじめの対象になったり、学校に行きづらくなっていたことも。大学に入学してようやく安心できるかと思ったが、病気やメンタルの不調もあり、5年半ほど引きこもり生活を送る。30歳で「初めてのアルバイト」としてキズキ共育塾の講師となり、英語・世界史・国語などを担当。現在はキズキの社員として、不登校・引きこもり・中退・発達障害・社会人などの学び直し・進路・生活改善などについて、総計1,000名以上からの相談を実施。