子どもの発達障害、どこに相談すればいい?相談先候補をまとめて紹介!

困り感の程度にもよりますが、発達障害のお子さんには、専門家のサポートが必要です。
親子だけで悩まずに、専門家に相談することで、お子さんも親御さんも、より「生きやすく」なっていきます。
一方で、まだ診断を受けていない場合は、「診断で発達障害と確定すること」を不安に思う親御さんもいらっしゃいます。
残念ですが、現代社会にはまだ発達障害への偏見は一部残っており、不安に思うお気持ちもよくわかります。
ですが、後述するように「医師による診察」と「専門家への相談」は別のものです。
確定診断が出ていなくても相談できるところはありますので、ご安心ください。
このコラムを読んでわかること
- 発達障害とは何か
- 発達障害の診断を受けるべきかどうか
- 発達障害の診察の流れ
- 発達障害の相談先
発達障害の確定診断がある方もない方も、この記事を読むことで相談先などがわかり、親子ともに今後の参考になると思います。
私たち、キズキは、発達障害や不登校のお子さんを、13年間で3,000名以上サポートしてまいりました。無料相談を行っており、親御さん自身のお悩みもご相談いただけます。少しでも気になるようでしたら、お気軽にご連絡ください。
目次
発達障害とは何か
既にご存知の方は次章「発達障害の診断を受けるメリット・デメリット」へ、また確定診断が出ている場合は「発達障害の相談先」へ進んでいただいて問題ありません。
①発達障害とは、脳の機能のバランスの偏りのこと

発達障害とは、脳の機能のバランスに偏りがある状態を意味します。
身体の機能と同じように、脳の中にもいろいろな機能があります。
その脳の中にある心の機能のバランスが悪い(ばらつきがある)ものが、発達障害と呼ばれるものです。
もちろん、誰の脳・心の機能にも、多少のばらつきはあります。
その上で、ばらつきが非常に大きくて、そのために学校や家庭生活の妨げになる場合を発達障害と言うのです。
②発達障害は、生まれつきのもの
発達障害は生まれつきのもので、親の育て方や家庭環境に起因するものでは決してありません。
また、「乳幼児期から特徴が見られ、成長してから発達障害になる」ということもありません。
そのため、発達障害の診断には子ども時代の様子がどうだったかの記録や養育者等の証言が必要になって来ます。
ただし、子どもの頃に発達障害に関する知識がなかったり診断を受けていなかったりして、大人になってから「発達障害だと気づく」というケースはたくさんあります。
発達障害の根本的な原因はまだ見つかっておらず、また発達障害は「治る」ものではありません。
しかし、発達障害は病気ではなく「個性」であり、そもそも治す必要はないという専門家もたくさんいます。
③発達障害の主な3種類

発達障害は主に次の3種類に分類されます。
- 1:自閉症スペクトラム症(ASD):コミュニケーション能力に困難があり、人間関係を作っていくことが苦手な発達障害。こだわりが強く、感覚過敏であることも。
- 2:注意欠如・多動症(ADHD):「不注意、多動性、衝動性」が極端な発達障害
- 3:学習障害(LD):全般的な知能には問題はないのに、「読む、書く、計算する」など特定の分野のみが極端に苦手な発達障害
発達障害かどうかは、医師だけが判断できます。
親だけで「発達障害だ(発達障害ではない)」と決めつけず、不安な場合は、医師や、後述するサポート団体に相談しましょう。
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発達障害の診断を受けるメリット・デメリット
お子さんが発達障害かもしれない親御さんが、医師の診断を受けることをためらうことは少なくありません。
お子さんに「障害」が付くことを不安に思うお気持ちは、よくわかります。
ここからは、発達障害の診断を受けるメリットとデメリットをご紹介します。
①発達障害の診断を受けるメリット

主なメリットは、次の3点です。
- 1:特性をしっかり理解できる
診断をもとに主治医と話すことで、お子さんに適した関わり方や進路がわかります。主治医と相談しながらサポート機関や学校を探すことも可能になります。
お子さんに適した環境を整えることで、発達障害の子が陥りやすい「落ちこぼれ」や「いじめ」を回避することができます。
※発達障害の診断を受けた場合、教育委員会から「通常のクラス」とは違う教室や学校などでの学習を提案されることがあります。その場合も、親には指示に従うor従わないの選択権があります。
- 2:学校などにサポートを依頼しやすくなる
学校にお子さんの特性への合理的配慮を依頼する場合、医師の診断があった方が認められやすくなります。
また、学校以外のサポート団体も、診断があった方が利用しやすかったり、話がスムーズに進んだりする場合もあります。
- 3:障害者手帳を受けられる可能性がある
発達障害の程度によっては障害者手帳が交付され、それに伴う公的な福祉サービスを受けることができます。
②発達障害の診断を受けるデメリット
主なデメリットは、次の2点です。
デメリットは、「必ず発生する」ものではなく、「発生する可能性がある」というものです。
なお、前提として、医師から「発達障害である」という確定診断が出た場合、診断を取り下げてもらうことはできません。
- 1:偏見にさらされる可能性がある
残念ながら、現代の日本では発達障害への偏見はゼロとは言えません。
診断が出た場合、偏見にさらされる可能性もあるでしょう。
ただし、発達障害であることを学校や職場で開示する義務はなく、自分から公表しない限りは周囲にわかることはありません。
- 2:劣等感を持つ可能性がある
発達障害であることを自覚しておくことは、発達障害の本人にとってとても大切なことです。
しかし、診断を受けてはっきりと発達障害だと言われることで「自分は発達障害だから、○○ができない」「自分は発達障害だから、悪い意味でみんなと違う」などという劣等感を持つ可能性があります。
③診断を受けるべきかどうかは、お子さんによって異なる

上記のメリット・デメリットを踏まえながら、発達障害の診断を受けるべきかどうかは、お子さんの個別の事情によって異なります。
また、発達障害の診断を受ける受けないに関わらず、発達障害の傾向のある子どもは劣等感を抱きやすいので、心のサポートは必要になってきます。
発達障害の診断を持たなくても、受けられる支援やサービスもたくさんあります。
検査を受けるべきかどうか決められないなら、後述する医療機関・支援機関に相談しつつ、方針を考えていきましょう。
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発達障害の診察の流れ
①発達障害の診察が受けられる病院を探す

発達障害の診察を受けられるのは、小児精神科、児童精神科、子供の発達に詳しいクリニックなどの医療機関です。
お近くにそういう病院があるか、インターネットで検索したり、かかりつけの小児科やサポート団体、役所の障害福祉担当課等に確認したりしましょう。
地域の専門医療機関のリストをインターネットで公開している市区町村もあります。
スクールカウンセラー等から紹介されたり、かかりつけの小児科医が紹介状を作成したりする場合もあります。
なお、発達障害の診断が行える専門医はまだ少なく、診察を受けるために数か月待つこともあります。
しかし、お子さんの困り感によっては(専門家からのアドバイスによっては)数か月待っても検査をしておいた方がいいでしょう。
②準備するもの
診断の際に、お子さんの出生から現在までの成育歴を訊かれます。
母子手帳や病歴や成育歴をまとめたメモを用意しておきましょう。
学校の成績表などがあれば説明もしやすくなります。
③診察の流れ

- 1:問診
発達障害の特性は乳幼児期から見られます。医師は保護者に、成育歴、日常の様子、困ったことなどを問診します。
- 2:子どもとの面接・行動観察
質問に答えられるお子さんには、医師が面接を行います。答えられないお子さんには、一緒に遊んだりする中で、お子さんの行動や様子を観察します。
- 3:知能検査・発達検査
知能の発達を測定する検査[WISC(ウィスク)という検査が有名です]、子供の発達程度を測定する検査、心理的な傾向を測定する検査など、専門的な検査を行います。
MRIでの脳波検査を行う場合もあります。
なお、一度の診察ではお子さんの特性が読み取れないので、数か月かけて繰り返し診察を行う場合もあります。
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発達障害の相談先

それぞれ、「直接的な相談が可能」な場合もあれば、「そこから、より適切な医療機関・支援機関を紹介される」こともあります。
また、地域によって名称が異なることもあります。
どこに相談すればいいかわからない場合は、まずは、学校、かかりつけの小児科医、市区町村役所の窓口と話をしてみましょう。
そこから、「あなたのお子さんに合っている相談機関」を紹介してもらえると思います。
相談先①スクールカウンセラー
学校に在籍するスクールカウンセラーは、一番身近な発達障害の専門家です。
公認心理師など心理の専門家や、元教員などの教育の専門家が、スクールカウンセラーとして週に何回か学校に来て心の相談を受け付けています。
子ども本人だけでなく、保護者が相談をすることもできます。(スクールカウンセラーのいない学校もあります。その場合は都道府県の教育委員会にカウンセラーがいるはずですので、担任の先生に相談してみてください)
担任の先生からスクールカウンセラーを紹介してもらうこともできます。
診察を受けるかどうかの相談、お子さんの関わり方の相談にも対応しているので、医師の診察を受ける前に、まずはスクールカウンセラーに相談するといいでしょう。
相談先②医療機関
小児精神科、児童に詳しいクリニック、かかりつけの小児科などがあります。
かかりつけの病院があるなら、子どもの頃からの様子を知っているので、まずはそこで相談してみましょう。
かかりつけ医から専門医へ紹介状を書いてもらうこともできます。
カウンセリングは様々な人が行っていますが、一般的に「臨床心理士」「公認心理師」などの資格を持ったカウンセラーをオススメします。
そのようなカウンセラーが在籍している病院もあります。
相談先③市区町村の子育て担当課または福祉担当課
お住まいの市区町村役所の、子育て担当課・福祉担当課も相談先の候補です。
例えば東京都杉並区では、区役所を相談窓口にして、「発達支援を必要とする学齢期の発達障害の方に対し、区が委託する事業所で療育等を行い、社会生活を円滑に行えるよう支援」を受けることができます。(参考:杉並区「障害者施策課 発達障害児相談担当係」」)
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相談先④発達障害支援センター
発達障害支援センターとは、各都道府県等に設置されている、子供から大人まですべての発達障害の方を支援する公的な支援機関です。
発達障害支援センターによって活動内容は様々で、心理師によるカウンセリングを行っているところや医師による診察を行っているところもあります。
活動内容についてはお住まいのセンターに問い合わせてみましょう。
相談先⑤保健所・保健センター
保健所・保健センターでは、保健師に相談することができます。
保健師とは、厚生労働大臣免許を受けた、地域住民の健康相談を行う専門家です。
相談先⑥児童相談所
児童相談所は、各都道府県に設けられた児童福祉のための専門機関です。
17歳までの子どもを対象としています。
養護相談、保健相談だけでなく、発達障害など心の相談や子育て相談にも対応しています。
なお、児童相談所の補助機関として、児童家庭支援センターもあります。
相談先⑦教育センター・特別支援教育センター
各都道府県や政令指定都市等に設置されている教育機関です。教育に関する研究や、教員・子供・保護者を対象とした教育相談を行っています。
教育の現場に長く携わった人が、学習、いじめ、発達障害などの心理的な問題などの相談に応えてくれます。
必要に応じて心理師が相談に同席することもあります。
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特に勉強に関する相談先〜塾や家庭教師〜

発達障害に対応した塾や家庭教師では、お子さんそれぞれの特性を考慮した上で、お子さんに向いた勉強方法を一緒に考えて学習を進めることができます。
また、特性に関連したコミュニケーション方法、進路選び、悩み事などを相談できることも多いです。
気になる場合は、「発達障害 家庭教師 ○○市」などの検索で、お近くに候補があるか探してみましょう(私たちキズキもその一つです)。
まとめ~家庭だけで悩まず専門家に相談しましょう~
医師による診断を受けない場合でも、専門家の支援を受けることはできます。
親子だけで悩まず、ぜひお近くの専門家に相談してください。
この記事が、お子さんと親御さんの参考になったなら幸いです。
さて、私たちキズキは、発達障害や不登校やなどのお子さんのための塾&家庭教師です。
発達障害に理解のある家庭教師が、勉強面とメンタル面でお子さんのサポートを行います。
お子さんの発達障害(の可能性)に関連して、勉強やコミュニケーションについてお悩みでしたら、お気軽に無料相談をご利用ください(親御さんのみのご相談も可能です)。
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